研究概要 |
1.意匠設計モデルの形状変位と検出される光リング像の径が直線関係にあることを基本原理とする下記のような構造と特徴を持つ光リング式多機能センサおよび3次元自由曲面形状の自動計測を機上で行うことができるオンマシン計測システムの試作開発を行った. (1)3枚の非球面レンズ,半導体レーザ光源,リングスリツト,拡散板付きマイクロモータ,CCDエリアセンサなどからなる,3.6μm/ピクセルの分解能で1mmの測定範囲を持つ小型で軽量なセンサを試作開発した. (2)光リング像の画像処理に加重平均法と最小二乗法を適用することにより急斜面や金属面においても光リング像の半径を高精度に求めることができる. (3)拡散反射面であれば最大70°の傾斜まで±5μm,また鏡面反射光を含む金属面では±10μmの精度で3次元自由曲面の形状計測が可能である. (4)計測システムは光リング式多機能センサ,NC工作機械,NC装置,3D形状計測コントローラ,パーソナルコンピュータ,ワークステーションなどから構成される. (5)エッジを含む3次元自由曲面からなるアクセサリモデル(高さ5mm×縦12mm×横14mm)を0.2mmの間隔で4200点高精度・高密度に約2時間で自動計測することができた. 2.意匠形状モデルのCADシステム構築のために下記のような特徴を持つ曲率を考慮した高精度あてはめが可能な自由曲面生成法を構築した. (1)パッチを形成する曲線群を細密な間隔で計測することにより複雑な曲面形状であっても少ない計測点群データで高精度な曲面あてはめを可能にする高密度計測法である. (2)曲率が大きい形状位置には多くのノットを,緩やかな形状には少ないノットを自動的に決定することができる曲率を考慮したノンユニフォームB-スプライン曲線自動生成法である. (3)ノンユニフォームB-スプライン曲線群によって形成されるネット状パッチからCoonsパッチを生成し,曲線ネットとパッチによるデータ構造を持つ自由曲面データ自動生成法である.
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