研究概要 |
本年度は、まず、ファジイ最適アクティブ制御実験を行う際に必要となる基礎的な技術を確立することを目的として、以下基礎的実験とAMD方式の制御デバイスの基本設計を、神戸大学と建設省建築研究所が協力して行った。まず、初年度導入した振動台について、既存のパーソナルコンピュータと初年度に導入したA/D,D/A変換ボードとそのコントロールソフトを用いて、導入した振動台を用いた実地震波加振の制御方法とそのシステムの構築を行った。さらに、このシステムを用いた振動台自体の振動実験を行い、動的計測機器を用いて、振動台の振動特性の動的な同定を行った。次に、1,2層の実験用供試体を作成し、供試体と振動台の動的振動特性の同定を行うための予備実験を行った。次に、制御方法として採用するAMD方式の制御デバイスの基本設計については、ディジタルシミュレーションによる検討を行い、付加質量,制御方式の検討を行い、制御デバイスの基本性能を決定し、サーボモータを用いたAMD装置の試作と、振動特性の検討を、初年度に購入する計測機器を用いて行った。さらに、試作したAMD装置と振動供試体を用いた基礎的実験を行い、次年度以降で実施する本格的実験に必要となる基礎的データの収集を行った。初年度では、振動台の納入が遅れたが、実施震波を再現するための振動台のディジタル制御システムの構築と、AMD装置の試作、および、AMD装置を用いた供試体の制御実験を行い、次年度以降で行う、種々の制御実験で必要となる基礎的なデータを収集することができた。この中で、供試体,AMD装置ともに小型であるため、その作成精度や計測精度が制御に及ぼす影響について考慮する必要があり、これらの点を、次年度以降さらに検討する必要がある。
|