研究課題
試験研究(B)
申請者らがこれまで研究を行ってきたCFGFRPは、高弾性かつ低限界伸びの炭素繊維と高靱性かつ高限界伸びのガラス繊維を構成要素としている。高弾性な炭素繊維は複合体全体の破壊以前に漸次断線を始める。このため、炭素繊維の断線割合に応じた抵抗変化を示す。研究目的の一つは、この様な機構をできるだけ多くの構造部材のなかで、発現させることである。そこで、最も硬質な部材であるセラミックスと軟質な部材の一つである膜構造体に自己診断機能を与えることにより、自己診断を具備しうる部材の範囲を広げることを試みた。また自己診断材料であるCFGFRPの実用化を検討した。(1)CFGFRPに於ける自己診断思想の広範な材料への拡張自己診断の考え方のセラミックスへの適用は、分担者であるファインセラミックスセンターおよび東大のメンバーにより行った。このうちファインセラミックスセンターでは、破壊検知材として導電性連続相を導入し、荷重負荷時の電気抵抗の変化により窒化けい素セラミックスの破壊検知を試み、検知可能との結論を得た。自己診断の考え方の柔軟材料特に膜構造体への応用は、分担者の一つ太陽工業により行った。膜構造体ではもっと容易かつ定期的に性状を把握できないかが、課題となっていたが、CFGFRP同様炭素繊維の抵抗変化を利用した材料性状の把握を膜材料に適用し、劣化自己診断機能を有する膜材料の開発を行った。(2)CFGFRPによる自己診断機構の解明、実用化CFGFRPの抵抗部分を直列に配置すれば、一箇所の破壊侵入により抵抗が大幅に増大し、侵入を検知できる。このような材料のプロトタイプを作製した。
すべて その他
すべて 文献書誌 (3件)