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1996 年度 実績報告書

コンクリート構造物用の高強度非磁性鋼の開発

研究課題

研究課題/領域番号 07555659
研究機関九州大学

研究代表者

高木 節雄  九州大学, 工学部, 教授 (90150490)

研究分担者 宮楠 克久  日新製鋼(株), 技術研究所, 室長(研究員)
キーワード非磁性 / 強度 / 靱性 / マンガン鋼 / マルテンサイト / 相変態 / 結晶粒径
研究概要

これまでの研究により,すでに,Fe-15%Mn2元合金を選定し,オーステナイトの結晶粒径を1μm以下まで微細化する技術を確立している.そして,この結晶粒超微細化により,本合金の降伏強度が0.8GPa程度(処理前:約0.2GPa)にまで高められ,同時にTPIP現象によって十分な延性を確保できることも確認した.しかしながら,微量のひずみで強磁性体のbccマルテンサイトが生成し,完全に非磁性が要求される分野での使用には適さないことも明らかになったので,Mn量が異なるFe-Mn2元合金について,Mn量と組織の関係,強度に多大の影響を及ぼすhcp(ε)マルテンサイトの生成挙動と結晶粒径の関係を系統的に調査して以下の結果を得た.
(1)Mnを20%以上添加した合金では,引張破断するまで強磁性のbccマルテンサイトは生成しない.そして,20%から27%までのMnを含むFe-Mn合金では,加工誘起変態で生成するεマルテンサイトを利用することにより,引張強さを大幅に増大させることができた.
(2)結晶粒が粗大(100μm程度)な場合,εマルテンサイトが生成する合金では,板状のεマルテンサイトやオーステナイト粒界に沿った脆性的な破断が生ずる.このような脆性破壊を抑制し,εマルテンサイトを利用して高強度化を図るには,オーステナイト結晶粒を10μm程度にまで微細化しなければならないことも明らかとなった.
(3)オーステナイト結晶粒径の制御と加工誘起ε変態の利用により,適度な延性を確保した状態で,1.1GPaを上回る高い強度を有する非磁性鋼を得ることに成功した.

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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