研究課題/領域番号 |
07555664
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研究種目 |
試験研究(B)
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
堀口 勝三 東北大学, 工学部, 助手 (30219224)
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研究分担者 |
大北 茂 新日本製鉄株式会社, 技術開発本部・鉄鋼研究所接合研究センター, 主任研究員
上田 整 東北大学, 工学部, 助教授 (10176589)
進藤 裕英 東北大学, 工学部, 教授 (90111252)
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キーワード | 極低温構造材料 / 溶接部 / 破壊靱性試験 / 数値シミュレーション / J積分 / 発熱・温度上昇 / 液体ヘリウム温度 / 核融合炉超伝導マグネット |
研究概要 |
本研究は、極低温における溶接部の破壊強度特性を解明し、高強度・高靱性を有する極低温構造材料の最適溶接設計法についても検討している。核融合炉超伝導マグネット構造健全性評価に資するため、溶接部極低温破壊強度特性評価システムの開発を行ったものであり、得られた成果を要約すると以下の通りである。 1.核融合炉超伝導マグネット用構造材料として開発されたJN1極厚鍛造材のインコネル625系溶加材を用いたTIG溶接材(板厚200mm)を対象に、液体ヘリウム温度(4K)における破壊靱性試験を行った。破壊靱性値(J_<IC>)はASTM E813-87規格に準拠して求め、J_<IC>に及ぼす試験片採取位置及び窒素含有量の影響を解明した。また、極低温破壊に伴う発熱・温度上昇測定も行い、考察を加えた。 2.JJ1極厚鍛造材の共金系溶加材を用いたTIG溶接材(板厚200mm)の4KにおけるJ_<IC>試験を行い、J_<IC>に及ぼす試験片採取位置、窒素含有量、介在物、溶接欠陥の影響及び極低温破壊に伴う発熱・温度上昇を解明した。 3.大型ヘリカル装置の超伝導マグネット用構造材料SUS316の電子ビーム溶接材(板厚75mm)を対象に、4KにおけるJ_<IC>試験を行い、J_<IC>に及ぼす試験片採取位置の影響を解明し、き裂進展挙動についても考察を加えた。 4.アコースティックエミッションを用いたき裂進展のモニタリングに着手し、基礎的検討を行った。 5.溶接部の極低温スモ-ルパンチテストに関しては、試験装置の製作を行い、一部実験を開始した。 6.破壊靱性試験片を対象に、残留熱応力分布、き裂先端の応力分布、J積分及びき裂進展に伴う発熱・温度上昇に関する溶接部の材質・強度的不均質性を考慮した有限要素解析に着手し、一部興味ある結果を得ている。 本年度は、金属材料を対象とした試験法に準拠してJ_<IC>試験を行い、溶接部特有の極低温破壊挙動を把握した。また、溶接部の特性を考慮した破壊・変形に関する数値シミュレーションを行い、溶接部極低温破壊強度特性評価システム開発に向けて有益な結果を得ている。
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