研究概要 |
平成7年度は,腐食モニタリング用のプローブの開発および我々が提案している交流インピーダンス法による腐食モニタリングの可能性についてごみ焼却炉模擬環境(実験室内)において検討を行った.具体的には以下の通りである. 実際のごみ焼却炉環境での腐食灰は低融点の塩化物/硫酸塩混合塩を含むSiO_2やAl_2O_3などの酸化物であることが知られている.そこで塩化物と硫酸塩の等モル混合塩とAl_2O_3を1:1の割合で混合した人口腐食灰を作成し,旗型に切り出したType304およびAlloy625合金をプローブ電極として人口腐食灰中に埋没することにより温度600℃で腐食のモニタリング模擬実験を行った. 試作したモニタリング用プローブは同種の金属を対向させた二電極式のプローブを用いているが,これらのインピーダンス特性を100kHz〜10mHzの周波数範囲で測定し,それらの結果からプローブ/腐食灰界面の電気的等価回路を明らかにした.これにより本モニタリング・システムで使用している10mHzのインピーダンスの物理的意味,すなわち腐食速度との対応を明確にした.また,試作したプローブによる腐食モニタリング結果は腐食灰塗布試験による腐食重量減少量と良く対応し,実験室段階として,本モニタリング・システムが良く機能していることを確認した. 実機でモニタリングでは,限られたスペースに多くのプローブを挿入する必要があるため,さらにプローブの形状等の改良が必要である.従って,平成8年度前半に,最終的なプローブの形状を決定し,後半にごみ焼却炉実環境での腐食のモニタリングを開始する予定である。
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