• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1995 年度 実績報告書

材料組織制御による高強度鋼溶接熱影響部の高靱性化に関する力学的アプローチ

研究課題

研究課題/領域番号 07555666
研究種目

試験研究(B)

研究機関大阪大学

研究代表者

豊田 政男  大阪大学, 工学部, 教授 (00029191)

研究分担者 鈴木 秀一  住友金属工業(株), 鹿島製鉄所・厚板管理室, 室長(研究者)
長江 守康  日本鋼管(株), 総合材料技術研究所・福山研究所, 課長(研究者)
川端 文丸  川崎製鉄(株), 鉄鋼研究所・厚板・条鋼研究室, 課長(研究者)
萩原 行人  新日本製鉄(株), 大分技術研究部, 部長(研究者)
南 二三吉  大阪大学, 工学部, 助教授 (60135663)
キーワード高強度鋼 / 溶接熱影響部 / 破壊靱性 / 局部的劣化部 / 組織制御 / CTOD試験 / 応力・歪解析 / 材料設計
研究概要

TMCP型降伏点460MPaクラスの高強度鋼多層溶接熱影響部の破壊靱性と組織特性の関係について実験的調査を行い、多層溶接熱影響部(HAZ)の破壊靱性は粗粒HAZに含まれる島状マルテンサイトの生成形態に大きく支配されることを明らかとした。すなわち、島状マルテンサイト組織形態は、細長いLathタイプのものと塊状のBlockyタイプのものに大分類できるが、Lathタイプの組織形態の方がBlockyタイプのものに比べて明らかに低い破壊抵抗値を示し、これが多層溶接熱影響部の靱性劣化の主要因であることを見出した。この結果は、マルテンサイト組織形態の制御が溶接熱影響部の破壊靱性向上に有効であることを意味している。
また、このようなHAZの組織特性が溶接継手の破壊抵抗にどのように関わるかについて検討するために、HAZに切欠きを有する三点曲げ破壊靱性試験とそれに対する有限要素法解析を行った。それによると、破壊の発生は必ずしも上記の劣化領域から起こるのではなく、き裂先端近傍の強度的不均一が応力・歪特性に大きな影響を与え、強度的不均一によって局部的に応力が高くなることと、溶接熱サイクルで生成する靱性劣化領域の位置関係によって破壊発生限界が決定されることが明らかとなった。
これらの成果は、本研究の目指す高靱性HAZの実現のための材料設計アルゴリズムの製作に向けて大きな糸口を与えているといえる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 鈴木秀一,別所清,豊田政男,南二三吉: "多層溶接熱影響部における島状マルテンサイトの形態と破壊特性" 溶接学会論文集. 13. 293-301 (1995)

  • [文献書誌] 鈴木秀一,別所清,豊田政男,南二三吉: "特性分布図による溶接熱影響部CTOD靱性の解釈" 溶接学会論文集. 13. 302-308 (1995)

URL: 

公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi