研究課題/領域番号 |
07556002
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研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
高畑 義人 岩手大学, 農学部, 教授 (10133894)
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研究分担者 |
釘貫 靖久 農水省野菜, 茶業試験場, 主任研究員
山岸 博 京都産業大学, 工学部, 助教授 (10210345)
金子 幸雄 宇都宮大学, 農学部, 助教授 (40241848)
加藤 正弘 愛媛大学, 農学部, 教授 (30036404)
大川 安信 農水省, 生物資源研究所, 室長
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キーワード | Brassica / Raphanus / 花粉培養 / 半数体育種 / 不定胚 / 形質転換 |
研究概要 |
上記の研究課題について、以下の4つのサブテーマを設けて研究を行った。 1.半数体育種技術の開発:ハクサイ及びカンランについて、花粉からの植物体再生能の高い日本型系統の育成を継続し、高再分化能系統に日本型系統を交配した後代のDH系統について、再分化及び農業形質の改良を行った。また、DH系統を用い根こぶ病抵抗性及び黒腐病抵抗性系統の選抜を行った。 2.胚発生の遺伝的要因ならびに発生機構の解析:ハクサイの胚発生能に関する遺伝的要因の解析のため、胚発生能の異なる系統間のF1の花粉胚発生に基づきダイアレル分析を行った。胚発生能は遺伝子の相加的効果が大きく、遺伝率も高いことが明らかとなった。また、ナタネの胚発生能に連鎖する3つのRAPDマーカーを見出し、それらのマーカーは胚発生に関して相加的効果を持っていた。野生種Moricandia arvensisの染色体を添加した大根の花粉培養の結果、4種類の添加型系統の胚発生が高まった。 3.遺伝的変異の拡大と新機能の開発:ナタネの花粉および花粉由来胚をターゲットとしてアグロバクテリウム法およびパーティクルガン法による形質転換を行った。花粉への遺伝子導入は、低頻度であるが可能であることが明らかになったが、不定胚への導入は成功しなかった。導入遺伝子の確認として、簡易抽出DNAを用いたPCR法を開発し、短時間に多数の解析が可能となった。 4.半数体育種法の評価:Brassica campestrisを用い、花粉培養により得られたDH系統間のF1を用い、そのF1の花粉培養により得たDH個体の自殖次代系統について、RAPD法で系統内固定度を調査した。DH系統の多くはわずかながら個体間で多型を示した。このことからDH化により、完全に遺伝的に固定した系統を得ることは簡単でないと判断された。 その他、本研究グループの情報交換のためのニュースレター「Brassica talk」3号を発行した。
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