研究課題/領域番号 |
07556003
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応募区分 | 試験 |
研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
鎌田 博 筑波大学, 生物科学系, 教授 (00169608)
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研究分担者 |
柿嶌 眞 筑波大学, 農林学系, 助教授 (40015904)
鷲谷 いづみ 筑波大学, 生物科学系, 助教授 (40191738)
野村 港二 筑波大学, 農林学系, 講師 (00183905)
半田 高 筑波大学, 農林学系, 講師 (00192708)
佐藤 忍 筑波大学, 生物科学系, 助教授 (70196236)
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キーワード | 遺伝子組換え植物 / P1温室 / 野外開放系実験 / 土壌微生物 / 花粉飛散 / 雑草化 / 遺伝様式 / 形質の安全性 |
研究概要 |
本年度は、アサガオから、花芽誘導時に重要な働きを演じると考えられる生物時計遺伝子を世界ではじめて単離した。この遺伝子については、Tiプラスミド系ベクターを用い、カナマシン耐性遺伝子を選抜マーカー遺伝子としてアサガオおよびシロイヌナズナに導入し、トランスジェニック植物を育成した。現在、このトランスジェニック植物の花芽分化特性を解析中である。一方、ベゴニアおよびサツマイモ野生種を用い、Riプラスミドrol遺伝子を導入したトランスジェニック植物を得ることに成功した。ベゴニアでは、葉がやや波打ち、花弁にもしわが少しでるものの、花芽分化特性は非形質転換植物と同じであった。また、サツマイモ野生種では、葉にも大きな異常は見られず、非形質転換体と同じ条件で花芽が分化し、稔性のある種子を得ることができた。さらに、選抜マーカー遺伝子の有効性を検定するため、トルコギキョウではカナマシン耐性遺伝子とGUS遺伝子を用いたところ、両遺伝子ともにマーカー遺伝子として利用可能であることが判明した。選抜マーカー遺伝子としてのGFP遺伝子およびエコーリン遺伝子の有効性をニンジンやタバコを用いて検討したが、両遺伝子ともにバックグランドのレベルが高く、最適な検出方法が見つからない限り有効な選抜マーカー遺伝子としては利用できないことが判明した。RiプラスミドrolC遺伝子を導入したトランスジェニックベラドンナについては、半閉鎖系温室(P1温室)で栽培する際、冬期に加温せず、室外と同じ温度に保ったところ、地上部が枯れ、地下部が残って春になるとこの地下部から新たに植物体が成長してきた。さらに、野外開放系での実験に先立ち、昆虫による花粉飛散を調査するため、非形質転換ベラドンナ開放系である大学の圃場にて栽培し、訪花昆虫を調べたが、圃場のある筑波地区にはベラドンナの花にやってくる訪花昆虫はいないことが明らかとなった。
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