研究概要 |
1.ACBCのカ-ネーションACC酸化酵素に対する作用と切花の鮮度保持効果:ACBCがACC酸化酵素の強力な拮抗阻害剤として働くこと,およびカ-ネーション切花に対し鮮度保持効果を示すことを明らかにし,課題を終了した.結果は,Plant and Cell Physiology Vol.38, No.3に発表した. 2.新規切り花鮮度保持剤1,1-ヂメチル-4-(フェニルスルホニル)セミカルバジド(DPSS)の作用機構:アフィニティーゲルを用いて,カ-ネーションからDPSS結合因子の単離を試みたが成功しなかった.一方,DPSSSが除草剤クロロスルフロン(Chr)に誘導されるエチレン合成を阻害することを見いだした.Chrはアミノ酸合成に作用することが知られているので,この結果から,DPSSがアミノ酸代謝に作用してエチレン生成を阻害することが示唆された.現在,カ-ネーション老化花弁のL-メチオニンとS-アデノシルメチニオン含量に対するDPSSの作用を検討している. 3.スプレーカ-ネーション切花の鮮度保持に対するDPSSの作用:スプレーカ-ネーションにおいて,DPSSが花弁の老化を抑制すると共に,蓄の開花を抑制することを示す予備的結果を得た.これは,DPSSの新用途の開発に結びつくと考えられるので,次年度に詳しく検討する予定である. 4.AIBおよびDPSSの収穫前処理によるカ-ネーション・デルフィニウムの切り花の鮮度保持効果:AIBの収穫前施用と異なり,DISSの収穫前施用は,カ-ネーションに鮮度保持効果を示さなかった.デルフィニウムについては現在栽培中であり次年度に結果が得られる予定である.
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