研究課題
1.殺虫剤抵抗性発達のリスクアセスメントに関する研究:捕食性のケナガカブリダニを室内で有機リン剤のメチダチオンで正逆淘汰したところ、数世代の淘汰で高い抵抗性比を示した。またコナガのBT抵抗性では、感受性系統と抵抗性系統との間に、生態的適応度に違いは認められなかった。2.殺虫剤抵抗性発達機構に関する生理生化学的及び分子機構に関する研究:イネドロオイムシの有キリン剤およびカ-バメート剤抵抗性は、作用点のAchEの感受性低下、ケナガカブリダニのメチダチオン抵抗性はメチダチオンの解毒分解、イエバエのピラクロフォス抵抗性は、AchEの感受性低下および代謝・抱合によること等が明らかになった。また、パ-メスリン抵抗性ネッタイイエカでは、チトクロムP450酸化酵素が主要な役割を担っていることが明らかとなった。これらの遺伝子のCDNA完全鎖長配列を明らかにした。これらの成果をもとに、殺虫剤抵抗性のモニタリング、選択性殺虫剤の利用による天敵の保護による殺虫剤淘汰圧の減少など殺虫剤抵抗性発達の人為制御に関する基礎的な成果を得ることができた。
すべて その他
すべて 文献書誌 (5件)