研究分担者 |
佐々木 美枝子 東京都立衛生研究所, 毒性部, 部長
山下 優毅 広島大学, 医学部, 教授 (00028680)
重田 征子 広島大学, 工学部, 助手 (10034381)
小埜 和久 広島大学, 工学部, 助教授 (10144883)
新見 治 広島文教女子大学短期大学部, 教授 (60034360)
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研究概要 |
1,花粉蛋白質抽出法の検討:種々の抽出液を検討した結果、中性のPBSにより既報の方法より約10倍量の蛋白質が得られ、また、花粉の膨潤が微弱で糖鎖性不純物の溶出が顕著に抑制されることがわかった。本方法による遠心分離後の上清中蛋白質の、硫安沈澱・脱塩濃縮・凍結乾燥処理した試料(CJP)を用い、花粉症患者12名に皮内(20万倍希釈)及び結膜反応(1万倍希釈)を行ったところ、活性がみられた。 2,粗スギ抗原ウサギ抗血清の作製 3,ゲルクロマトグラフィーによる分画:CJPに対しSuperdex G-75でゲルクロマトグラフィーを行った。溶出のUV280nmモニターの結果から、4つのピーク(VV側からCJP-1、CJP-2、CJP-3、CJP-4)が得られた。患者血清1gEとの反応、及び皮内・結膜反応は共にCJP-3で最も高く、CJP-1は反応しなった。糖はCJP-2に大部分溶出した。CJP-3には分子量80KD〜12KDのものが含まれていたが、従来から主抗原といわれている蛋白質もこの画分に含まれている可能性がある。SDS-PAGE後、蛋白質染色した結果、この画分には少なくとも14本のバンドが確認され、主抗原の他にも多くの蛋白質が含まれることが明らかとなった。さらにこの画分を精製して発症抗原、及びそれと交叉反応する治療用抗原を開発していく予定である。 4,アレルゲン産生遺伝子の分子遺伝学的検討:花粉細胞からのゲノムDNAを単離、また花粉形成時期を追って全RNAを単離し、cDNA調整の初期段階にある。
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