研究課題/領域番号 |
07556032
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
古田 武 鳥取大学, 工学部, 教授 (10026164)
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研究分担者 |
豊見 昭 栗本鉄工所(株), 化工機技術部, 課長(研究職)
川崎 賢一 富山県食品研究所, 食品加工課, 課長(研究職)
森田 康文 富山工業高等専門学校, 物質工学科, 助手 (50259842)
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キーワード | シクロデキストリン / 高度不飽和脂肪酸 / ドコサヘキサエン酸 / エイコサペンタエン酸 / 包接複合体 / 脂質酸化 / 混練 |
研究概要 |
平成8年度はDHA油の酸化速度解析、EPAエステルとα-、β-、γ-シクロデキストリン(CD)の包接粉末の調整、粉末中のEPAの酸化安定性について検討し、以下の結果を得た。 1.DHA油の酸化速度解析 DHA含量約50%のDHA魚油を、関係湿度70%、温度4〜60℃の空気恒温槽で酸化させ、DHA油の過酸化物価(POV値)を経時的に測定した。POV値と酸化時間はほぼ直線関係にあり、酸化反応が0次反応であることが判明した。種々の温度における酸化速度定数をArrheniusプロットし、活性化エネルギーを求めたところ14.0kcal/molであった。 2.EPAエステルとα-、β-、γ-CDの包接粉末の調製と酸化安定性 EPAエチルエステル(EPAと略称)と、α-、β-、γ-CDとの包接粉末を、2軸混練機を用いて10℃、窒素雰囲気で調製した。包接量をガスクロマトグラフで測定したところ、α-、β-、γ-CDに対し、それぞれ0.18,0.2,0.5モル倍のEPAが包接されていた。包接粉末の酸化実験を、50℃、関係湿度0〜90%で行った。α-CDに包接されたEPAは酸化初期にその40%が酸化されるが、その後酸化は進行せず、また関係湿度の影響も少なかった。これに対してβ-、γ-CDに包接されたEPAは、時間と共に徐々に酸化され、かつ関係湿度が高いほど酸化進行速度は高かった。 3.各種糖類を添加した包接粉末の酸化安定性 各種CD包接EPA粉末を」混練機で調製する際に、蔗糖、トレハロース、マルトデキストリン(MD)等の糖類を添加し、これらが酸化安定性に与える効果を検討した。いずれの糖を添加した場合もEPAの耐酸化性は向上したが、特にMDを添加した場合の酸化遅延特性は著しく改善された。
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