研究課題/領域番号 |
07556043
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 試験 |
研究分野 |
林産学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
則元 京 京都大学, 木質科学研究所, 教授 (20027163)
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研究分担者 |
小林 勝 小林機械工業(株), 製造部, 部長
川井 秀一 京都大学, 木質科学研究所, 教授 (00135609)
井上 雅文 京都大学, 木質科学研究所, 助手 (20263155)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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キーワード | 水蒸気処理 / 横圧縮加工 / 圧縮木材 / 高周波加熱 / 熱板プレス / 変形固定 / スギ / 早生樹 |
研究概要 |
スギ材や南方産早生樹材の軟質で強度が低く、材質の変動が大きいなどの欠点を、これらの材を横圧縮後、材中に含まれる水分を利用した高圧水蒸気処理によって、変形を永久固定することによって改良することが可能である。本研究では、この加工法の実用化を目指した加工装置の開発を行った。装置の設計に先立ち、スギ材やアルビジア材を用いて、種々の含水率や飽和水蒸気圧力(温度)において、放射方向の応力-ひずみ図を求め、圧縮の度合いに応じて必要とする応力を求め、最高100kgf/cm^2が必要であることを明らかにした。木材を熱板で圧縮する際、その周囲を治具によって密閉し、木材に含まれる水分を系内に閉じ込め、高圧になった水蒸気によって処理するのが、この加工の原理である。装置の主要部分は、冷却管と水蒸気による予備加熱管を備えたオイルヒート方式の熱板プレスであるが、加工材の厚さが大きくなった場合に、加熱効率を高めるのに高周波加熱装置を組込むため、熱板を電気絶縁材料とした。また、治具内が高圧となるため、防御フェンスや熱板外周に枠を設けるなど、安全装置に十分な注意を払った。厚さが小さい場合の加工では、熱板加熱のみで、180℃では約8分、200℃では約1分の処理により、変形は完全に固定できた。一方、例えば、厚さ60mmの木材を30mmに圧縮加工する場合、熱板のみの加熱では、材温度を200℃に上げるのに約80分を要したが、高周波加熱の併用により、約4分に短縮された。本装置を用い、木材含水率、圧縮量、熱板温度、高周波照射時間などが変形の回復抑制に与える影響について調べるとともに、加工材について、硬さ、強度、材色変化などを測定した。その結果、本装置を用いた処理により、同密度で比較した時、硬質の広葉樹材と同等以上の物性を備えた圧縮木材が調製できることが明らかとなった。
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