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1996 年度 実績報告書

放射光螢光X線イメージングによる水棲生物の新しい生体履歴研究法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 07556046
応募区分試験
研究機関東京大学

研究代表者

塚本 勝巳  東京大学, 海洋研究所, 教授 (10090474)

研究分担者 井ノ口 敏雄  (株)マルトー, 技術企画室, 研究技術顧問
尾形 潔  日立生産技術研究所, 第2部24研, 研究員
小松 輝久  東京大学, 海洋研究所, 助手 (60215390)
中井 泉  東京理科大学, 理学部, 助教授 (90155648)
キーワード放射光 / 螢光X線イメージング / 硬組織 / 回遊履歴 / 生体履歴 / Sr / 耳石 / 環境変動
研究概要

本研究はシンクロトロン放射光による螢光X線分析法を始めようとする様々な分析法を用いて海洋生物の硬組織に含まれる微量元素の時系列分布様式を明らかにすることによりその個体の辿った生活履歴を明らかにすることを目的とする。本年度は以下の項目について研究を実施し,次のような成果を得た。
1,ICP発光分光分析により淡水魚のフナ,ライギョ,オイカワ,海水魚のハタハタ,マアジ,イワシ,回遊魚のウナギ,サクラマスの耳石中の微量元素の定量を行ったところ,主成分のCaの他に,Srが0.07-0.27%含まれ,Zn,Fe,Mg,Mn,Alが多いものでは数十ppm含まれること,海水魚が淡水魚よりSr濃度が2〜3倍高濃度に含まれることが明らかになった。2,1,の結果を基に,淡水魚と海水魚で濃度差が著しいSrと主成分のCa,微量成分のFeについて放射光蛍光X線マイクロプローブにより耳石切断面の2元素分布を明らかにした。このうちSrが環境水中の塩分濃度を指標することが明らかになった。3,放射光蛍光X線分析では,Si(111)2結晶モノクロメータにより単色化した17keVの放射光X線(ビームサイズ110×140μm^2)を励起源として用いることによって,1点5秒間の計数で耳石に含まれる80ppm程度の鉄のイメージングに成功した。これは,本研究の放射光蛍光X線分析により初めて可能になったことで,電子線励起のEPMA等では分析不可能な濃度である。4,ウナギの耳石について放射光X線分析用の試料ステージに適合する最適な包埋・切断・研磨法について検討したところ,エポキシ樹脂に包埋し,縦断面方向に切断して中心を含む30ミクロン前後の標本を作成すればよいことがわかった。現在この作業をさらに簡便化し,多試料を短時間で処理できるよう実用化に向けて標本作成技術のマニュアル化に努めている。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 塚本勝巳: "魚類稚仔の大量標識法とその応用" フジ・テクノシステム「沿岸環境科学事典」(印刷中), (1997)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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