研究概要 |
(1)クロマトグラフィーの技術的改良:反応液緩衝液を燐酸カリウムに変更することにより分析の障害となっていた不溶物の生成の問題を解決した。 (2)検液調製法の検討:逆相分配型カートリッジカラムを用いる予備精製法を確立して二枚貝中の妨害ピークの除去に成功した。 (3)標準毒大量調製法の検討:活性炭カラムの導入により、低毒力二枚貝から効率的に毒を精製することができた。また、BioGel-P4カラムを用いることにより、これまで困難であったゴニオトキシン1と3を効率的に分離できることを明らかにした。 (4)標準液定量法の比較検討:麻痺性貝標準溶液の濃度決定法として、クエン酸を内部標準とする定量^1H NMR法を検討した。これまで行ってきた元素分析による窒素定量法と良く一致する結果を得た。 (5)HPLC用標準溶液のデザイン:互変異性する11位硫酸エステル異性体の最終平衡到達濃度を実験的に調べ、GTX1:GTX4=2.9:1,GTX2:GTX3=2.9:1,C1:C2=4.5:1であることを明らかにし、標準混合液調製の際の濃度比を決定した。 (6)サキシトキシン代替標準毒の検討:平成7年度に施行された法律により使用が困難となったサキシトキシンに代わるHPLC分析のための検討を行い、デカルバモイルサキシトキシンが同定、定量ともに外部標準となりうることを明らかにした。 (7)装置の自動化:コンピューター制御下にバルブ切り替えを行う自動カラムスイッチングシステムをHPLCに導入し、自動的に3クロマト条件で分析するシステムを構築した。
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