研究課題/領域番号 |
07556050
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研究種目 |
試験研究(B)
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研究機関 | 帯広畜産大学 |
研究代表者 |
久保 嘉治 帯広畜産大学, 学長 (40003074)
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研究分担者 |
長南 史男 北海道大学, 農学部, 助教授 (00113697)
小沢 亙 山形大学, 農学部, 助教授 (70211141)
長谷部 正 東北大学, 農学部, 助教授 (10125635)
土井 時久 北海道大学, 農学部, 教授 (60137388)
樋口 昭則 帯広畜産大学, 畜産学部, 助教授 (40250534)
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キーワード | 収量の累積確率密度関数 / 確率的優越性 / ロジスティク関数 / リスク評価 / リスクの地域間分析 / ミーン・ジニ概念 / 最適ヘッジ率 |
研究概要 |
1.確率的優越性計測による北海道農業分析への適用試験として、十勝地域、網走地域、空知地域について、対平年単収比の累積確率密度関数を作物毎市町村毎に計測し、第1次および第2次の確率的優越性を導出し、平成5年度に生じた冷湿害の発生確率に関する情報を整理した。当該地域を担当する専門技術員や指導的な農家と共にこの情報を検討し、確率的優越性指標による地域間分析が地域農業のリスク発生状況をよく反映していると言う事実を確認した。2.同じ要領を用いて東北地域の米作農業の分析を行って、いわゆる「やませ」の影響を受け易い東北地域の太平洋岸寄りと、「やませ」の影響の少ない日本海よりの地域との間で、従来より指摘されていた関係が果たしてどの程度確率的優越性の指標に反映するものかを検討・調査した。東北地域全体に生じた冷湿害の性質を解析している専門研究者を交えての研究会で得られた情報と、青森県の黒坂農業試験場で入手したデータに当てはめて推計した確率的優越性がもたらす情報とは、究めて斉合的であることが確認された。 3.この他に、空知地域を対象にして、稲作の品種毎のデータに当てはめて確率的優越性を計測する研究と、山形県の事例市町村での作物別分析も、同時に実施していて、いずれの研究成果からも経験的に得られていた知見をよく反映した情報をもたらす可能性が認められたところである。確率的密度関数や確率的優越性概念の延長ともいえる、ミーン ジニ概念による最適ヘッヂング率の計測も試みられていて、それぞれに興味深い結果が得られている。その一部の成果は農業経営学会誌に投稿し、査読を受けているところである。
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