研究課題/領域番号 |
07556050
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研究機関 | 帯広畜産大学 |
研究代表者 |
久保 嘉治 帯広畜産大学, 学長 (40003074)
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研究分担者 |
小沢 亙 山形大学, 農学部, 助教授 (70211141)
長谷部 正 東北大学, 農学部, 助教授 (10125635)
永木 正和 鳥取大学, 農学部, 教授 (90003144)
金山 紀久 帯広畜産大学, 畜産学部, 助教授 (00214445)
土井 時久 北海道大学, 農学部, 教授 (60137388)
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キーワード | 累積分布 / ワイブル分布 / ロジスティク曲線 / 2重指数関数 / 稲品種の選択 / 災害要因別被害率分布 / 期待情報量 / E-Hアプローチ |
研究概要 |
1.冷湿害が頻発する北海道の作目別単収時系列データを基に、確率的優越性(SD)を計測し、その適用性を検証する。十勝の畑作8作目、空知の米麦2作目をそれぞれ対象にして、対平年単収比の確率分布とSDを計測し、SD情報の的確性を確認した。米品種(うるち、もち)ごとに空知や上川の単収記録から累積分布を調べ、北部においてもち作の2次SDがうるちに勝り、もちの耕作比率が高くなっている事実と符合すること、昭和51年以前と52年以降の2期をとり、稲作被害率分布を原因別に計測し、1次のSDを調べると、近年時にSDが明かに改善されていること、等の知見を得た。加工用スイ-トコーンの単収データを基に、対平年単収比の分布の性格を検定し、十勝で65%の市町村はロジスティクで、25%の町村はワイブル分布で接近することが妥当であることを確かめ、作付け面積の多少は2次のSDと単収水準で有意に説明できることを確認した。2.東北6県の県別稲作データあるいは青森県の市町村別・郡別データによる分析から、SD情報のもたらす意味を確認した。県別のSD情報は稲作付け構造の変化に関連していること、SD情報は「やませ」の影響を受ける地区で劣位となること、分布をロジスティク曲線と2重指数関数とで接近し比較すると、後者は前者よりもSDが常に優れた値を示すことなどの知見を得た。3.SDの延長としてのミーンジニ計画法の適用を試みたが、必ずしも適合性に優れていることは言えなかった。発生型が分布形式に左右されず、しかも情報利用機会を大切にする計画モデルとして、エントロビ-概念を組み入れたE-H接近を提唱し、その解は目標計画法によって求められることを確認し、その適用例を農業経済学界では初めて構築した。
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