研究分担者 |
取出 伸夫 佐賀大学, 農学部, 助教授 (70212074)
大槻 恭一 鳥取大学, 乾燥地研究センター, 助教授 (80183763)
井上 光弘 鳥取大学, 乾燥地研究センター, 助教授 (90032309)
藤山 英保 鳥取大学, 農学部, 教授 (90108796)
神近 牧男 鳥取大学, 乾燥地研究センター, 教授 (20032310)
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研究概要 |
最終年は4種類の研究課題に関しそれぞれ補足実験と総括を行った。1.大型ガラス室内の砂丘砂斜面区において節水潅漑下の潅漑諸元値を検討した。南斜面では北斜面より斜面日射量が多く水消費要因が増加したが,土壌水分不足を生じ蒸発散量が北斜面と同程度であった。またソルガムおよび芝生の砂丘畑では日中の蒸発効率を用いたバルク法により長期間の植生の蒸発散量を比較的高い精度で推定できること,葉面バルク係数を日射量,風速,最小気孔抵抗の関数で表せば,アメダスにより植生の蒸発散量を精度良く再現できることを明らかにした。2.ナトリウム(Na)の砂丘砂中とオオムギの茎葉中の動態を非破壊で追跡するために,^<22>NaをトレーサーとしX線フィルムよりも高感度でデジタルデータが得られるイメージングプレートによって検出することを行い,満足できる結果を得た。3.センサー出力値がデータロガで集録回収できることを条件に,水分と塩分を調整した砂丘砂に対して,数種の市販,開発中の水分センサーの測定精度を検討した。また実用的な誘電率センサーを用い土壌水分測定に及ぼす塩分濃度の影響を比較検討した。砂丘砂を用いた分散係数の測定では水分不飽和状態の分散係数が飽和状態に比べて大きいことを示した。2%程度の粘土分を洗浄により取り除いた不飽和状態の分散係数は未処理の場合より小さく,その違いが含水率の低下に伴い大きくなることを示した。4.砂,塩(NaCl),芝生の3者を様々な割合で混合したモデル表面の分光反射を測定し,植被率は550nmと980nmの反射率から求められる植被率指数により推定できること,塩被率は400nmにおける対砂反射率比により評価できること,砂被率は350nmと500nmの反射率の差により推定できることを明らかにした。
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