研究概要 |
平成9年度に引き続いて,人口降雨装置を備えた模擬斜面で降雨侵食実験を継続して行った.および降雨特性の解析を中心に行った. (1)実験は勾配10度,幅20cm,長さ60cmの斜面で表面流量を5段階に変え,表面に発生する微小なリルの3次元的な形態を写真で追跡した.写真はスキャナーでコンピュータに入力してデジタル化した後,画像解析ソフトを用いて解析を行った.また同時に流出土砂量の経時変化および粒度分析を行い微細粘土分の解析をった.また表面水の濁度の経時変化が3次元的な形態変化とどのように関わっているのかを調べた. (2)年間の降雨量やパターンの異なる全国3ヵ所の地域を選び,その場所で得られた10分間降雨量のデータを用いて降雨因子(一降雨の総エネルギー,総降雨量,最大10分間降雨量)と侵食量との相関性を調べた. その結果, (1)表面流量が安定に推移するのに対し,表面,3次元形態,濁度の変化が激しく,特に濁度と流出度量とは高い相関があった.また,リルの発生時間と表面流とは逆比例の関係があった. (2)降雨と侵食量との関係は,降雨エネルギーとの相関が高い地域と,降雨量と相関が高い地域に分かれることがわかった.
|