研究課題
土壌浸食は、現在砂漠化と共に地球規模の環境問題となっている。とくに発展途上国において人口の爆発的増加が圧力となって、森林伐採、農地開発の結果が土壌浸食を誘発し、土壌流亡は大きな問題となっている。土砂流亡は農地災害のみならず、環境問題として取り上げられている。したがって、農地からの土砂流亡の実態を把握し、その抑制制御システムを確立することは極めて重要な意義をもつものである。本研究では、粗粒部分の掃流砂と浮遊砂の排除に別途の対策を講じて、汚濁水流出抑制のシステム化をはかった。研究期間のうちに、(1)濁水の要因となる浮遊砂の制御に関する従来工法の技術的限界を検討し、(2)国内関連地区の現地調査に基づき浸透性沈砂池工法の計画・設計を行い、(3)試験施工のための水理設計および現地施工・調査の準備をし、(4)暗渠砂質濾層の浄化機能の検討を行い、(5)試験地圃場表土の土壌特性および沈降特性実験、(6)暗渠排水による沈砂池重力沈降の促進作用実験、(7)暗渠排水濾層の材料実験、(8)暗渠排水の能力低下とその対策検討などを行い、それらの結果土砂流出制御工法に関するマニュアルを作成した。