研究課題/領域番号 |
07556060
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
畜産学・草地学
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
上原 孝・ 東京農工大学, 農学部, 教授 (10014953)
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研究分担者 |
白山 琢持 埼玉県工業技術研究所, 課長
長南 康正 東京都立皮革技術センター, 所長
新井 克彦 東京農工大学, 農学部, 助教授 (60175940)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1997
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キーワード | 毛ケラチン / ケラチンペプチド / 可溶化 / パ-マ処理 / 家畜毛の利用 |
研究概要 |
牛毛ケラチン、豚毛ケラチンは製革工程で分解され、皮から除去されるが、工場排水中に排出され、皮革工場排水の汚濁原因の第1位を占めている。排水規制の強化のためにも、また、皮革産業が社会的責任を果たすためにも、工場排水中からケラチン分解物を除去しなければならない。そのためには脱毛法を改良して、毛を分解せずに回収することである。毛を回収する、新しい脱毛法は世界的に試みられているが、普及していない。その理由は回収された毛が用途を有していないからである。ここに回収毛の用途開発の緊急性がある。一方、ケラチンは著しい不溶性を特徴とし、さらに回収方法により変性を受けている。また、毛の形態を保持したままでの利用面は限られてくる。そこで、ケラチンをアルカリで部分加水分解し、可溶性ペプチドに変え、そのペプチドのまま、あるいは化学修飾をほどこしてからコスメチックスなどへの用途開発を試みた。 アルカリの濃度、処理温度、処理時間を検討し、加水分解条件を決定した。牛毛と豚毛の溶解性の差異、回収法による溶解性の差異、溶解物の分子量分布などを検討して、基礎的データを得た。食品への用途開発を狙い、湯葉様膜の製造を試みたが、不成功であった。次に、人毛髪の保護剤としてパ-マ処理時への利用を試みた。パ-マ処理は毛髪に大きなダメ-ジを与えるから、パ-マ処理をおこなう前にケラチンペプチドで毛髪を保護しておくとの考えで実施した。技術者による官能試験、走査型電顕観察などから毛髪の保護剤としての利用は有望と判断している。
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