研究課題/領域番号 |
07556061
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研究種目 |
試験研究(B)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
松井 徹 京都大学, 農学部, 助教授 (40181680)
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研究分担者 |
菊島 直 株式会社菱六, 研究室, 研究員
矢野 史子 近畿大学, 生物理工学部, 助教授 (30101249)
中嶋 隆 滋賀県立大学, 教授 (50074050)
矢野 英雄 京都大学, 農学部, 教授 (20026587)
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キーワード | フィターゼ / リン / マグネシウム / 亜鉛 / 利用性 / ニワトリ / ブタ |
研究概要 |
麹菌(Aspergillus usami)のフィターゼ活性による選抜を行ったところ、その活性は1.5倍程度上昇したが、同時にクエン酸発酵が進んでしまい、ラットにおける嗜好性が低下した。また従来の菌種で発酵時間の延長等発酵条件変更を試みたところ、発酵時間の延長によりフィターゼ活性の上昇は認められたが、乾物量の著しい損失が伴った。そこで、クエン酸発酵が進んでいない麹菌発酵処理大豆粕をニワトリのヒナに給与するとリン利用性の著しい向上が認められた。また、この発酵処理大豆粕のみを給与すれば、他のリン源の補給を行わなくともリン欠乏を生じず、正常な発育および骨性状を示すことが明らかとなった。さらに、排泄物中リン含量は約30%減少させることが可能となった。 この発酵処理大豆粕と通常の大豆粕の併用給与をラットに行ったところ、マグネシウムおよび亜鉛の利用性が向上し、処理大豆粕に含まれるフィターゼは消化管内においても活性を有し、飼料に含まれるフィチン酸を分解できることが明らかとなった。 発酵処理大豆粕、大豆粕または脱脂粉乳主体有効リン含量を一定にした飼料を調製し離乳仔ブタに給与すると、大豆粕飼料と比較し発酵処理大豆粕飼料において著しい亜鉛および鉄の利用性向上が認められた。一方、他の区と比較し、発酵大豆粕区において、肝臓重量の増加が認められた。本試験で用いた麹菌はアフラトキシンB1を生成しないことは確認している。そこで、発酵処理大豆粕中に他のタイプのアフラトキシンが存在しているか、または、発酵過程においてアフラトキシンを産生するカビが繁殖した可能性が示唆された。
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