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1996 年度 実績報告書

高品質豚肉生産の技術開発に関する総合的研究

研究課題

研究課題/領域番号 07556062
研究種目

基盤研究(B)

応募区分試験
研究機関宮城県農業短期大学

研究代表者

石田 光晴  宮城県農業短期大学, 畜産科, 助教授 (40151386)

研究分担者 鈴木 啓一  宮城県畜産試験場, 原種豚造成科, 科長
キーワード枝肉形質 / 不断給餌 / 制限給餌 / ロース / 保水性 / やわらかさ / 脂肪酸組成 / コレステロール
研究概要

宮城県畜産試験場で生産したLWD三元交配豚二腹から去勢9頭、雌9頭の計18頭を供試した。豚はすべて単飼で飼育し、週一度体重測定をした。不断給餌区を対照区とし、体重に基づき不断給餌区の飼料摂取量の80%および60%を給与する区を設け、3つの区それぞれ去勢、雌を3頭ずつ配置し、体重が105kgに到達後、24時間絶食しと殺した。枝肉を24時間4℃で放冷後枝肉重量、皮下脂肪厚などの枝肉形質と肉色を測定した。肉質形質(pH、肉色、保水性、やわらかさ、脂肪含量、水分等)を測定するためのロースを採取した。その結果、制限区の日齢が約30日ずつ延びたが、日齢に応じて柔らかさの値が大きくなり硬さが増すことが明らか(P<0.05)になった。飼料の制限により制限区では脂肪含量が減少した。また、異なるロース部位(各胸椎)と殺後の冷蔵保存の影響では、冷蔵保存することで明らか(P<0.05)に柔らかさは増すが、加熱損失率が高まり水分のロスが多くなることが示された(P<0.05)。この傾向はロースの採取部位によって異なった。一方、肉質形質だけでなく、ロースおよび筋肉間脂肪と皮下脂肪の脂肪酸組成とコレステロール含量も測定した。前述したように、飼料制限により筋肉内脂肪含量は低下したが、コレステロール含量は増加した。脂肪酸組成では、飽和脂肪酸の割合が低下し、不飽和脂肪酸、とくにリノール酸が増加した。この傾向は、摂取エネルギーが不足したことにより、飽和脂肪酸が消費されて不飽和脂肪酸が残ったものと考えられ、軟脂豚の発生要因の一つとなっている。
以上のことから、総合的により高品質の豚肉生産を目指した場合、軟脂豚にならないように注意する必要があるが、不断給餌よりもある程度飼料のエネルギーを制限した方が肉中の不飽和脂肪酸が増加するため、栄養的に改質できると考えられた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 石田光晴 他4名: "n-3系脂肪酸を高度に含む魚油添加飼料給与による豚肉脂質および呈味成分への影響" 日本食品科学工学会誌. 43巻11号. 1219-1226 (1996)

  • [文献書誌] 石田光晴: "保存温度の違いが真空包装豚肉の呈味成分に及ぼす影響" 宮城県農業短期大学学術報告. 44号. 19-22 (1996)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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