研究課題/領域番号 |
07556063
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研究種目 |
試験研究(B)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
東條 英昭 東京大学, 農学部, 助教授 (20041668)
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研究分担者 |
田中 智 東京大学, 農学部, 助手 (90242164)
森 裕司 東京大学, 農学部, 助教授 (40157871)
澤崎 徹 東京大学, 農学部, 教授 (00012047)
高橋 迪雄 東京大学, 農学部, 教授 (30011943)
舘 鄰 東京大学, 農学部, 教授 (30011711)
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キーワード | シバヤギ / トランスジェニック胚 / 遺伝子導入 / エキソヌクレアーゼ |
研究概要 |
遺伝子導入技術を家畜に展開していくたには多くの課題が山積している。採卵技術もその課題の一つである。過排卵処理で得られる排卵数には、家畜の品種間だけでなく個体間でも大きな差異のあることが観察されている。これは、処理条件が必ずしも、個々の家畜に対して適切でない可能性がある。家畜においては、ホルモン投与に対する視床下部-下垂体-卵巣軸の応答に関する知見が極めて少ない。(1)シバヤギをモデルとして、生後から成熟に至るまでの内分泌ならびに神経内分泌学的な動態を解析するために、シバヤギ集団から年間を通して経時的に採血を実施した。現在、各種ホルモン濃度の測定を行っていられる。受精卵には、主に屠体卵巣から卵胞卵子を採取し、対外成熟、対外受精した前核期の受精卵が用いられている。前核にDNAを顕微注入した卵は、直ちにレシピエントの卵管に移植するのが理想であるが、大家畜では、大掛かりな開腹手術が必要なため、体外培養し、桑実胚ないし胚盤胞に発育させてから子宮に移植している。家畜胚は、マウスなどの実験動物の胚と異なり、初期胚から後期胚への体外培養での発生率が、卵管上皮細胞と共培養した場合でも極めて低い。(2)ウシ卵巣卵胞卵子を材料に、体外培養による未成熟卵の成熟、体外受精、および初期胚から後期胚へ発生させる培養系を確立した。遺伝子導入技術を家畜に広く応用するにあたり未解決の課題が多く存在する。なかでも家畜では、受精卵に顕微注入した外来遺伝子が宿主DNAへ挿入される効率が著しく低い。この問題を解決する手段として、PCR法によるトランスジェニック(Tg)胚の選別が試みられているが、解析の精度に問題があるのが現状である。(3)本研究では、前核に注入した遺伝子のうち、宿主DNAに組み込まれなかった遺伝子を選択的に分解する方法とPCRとを組み合わせた方法(Hyttinen et al, 1994)を改良してTg胚の選別を試みた。宿主DNAに組み込まれなかった遺伝子を分解する酵素として目的でDpnI、Bal31を用いた。材料として、マウス胚ならびにウシ胚を供試して実験を行なった結果、DpnIおよびBal31を用いてTg胚を選別する方法が極めて有効であることが認められた。
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