研究課題/領域番号 |
07556063
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応募区分 | 試験 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
東條 英昭 東京大学, 大学院・農学生命科学研究家, 助教授 (20041668)
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研究分担者 |
山内 啓太郎 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (70272440)
澤崎 徹 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (00012047)
高橋 迪雄 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (30011943)
舘 鄰 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (30011711)
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キーワード | トランスジェニック / トランスジーン / 制限酵素 / Bal31 / Dpn I / PCR |
研究概要 |
トランスジェニック(Tg)動物生産率の向上を目指して、1.ランダムプライマーと、トランスジーンに特異的なプライマーとを組み合わせたPCRを用いた方法でTg胚の選別を検討した。DNAをマウス受精卵前核に顕微注入し、体外で発生させた後期胚から抽出したゲノムDNAを、サザン法により解析した結果、一部の胚で強いシグナルが観察され、本法がTg胚選別に有効であると示唆された。2.Bal 31とDpn IによるDNA消化とPCRとの併用によるTg胚の選別を試みた。細胞質にDNAを注入した体外で発生させたウシおよびマウス胚の98.4%で特異PCR産物は検出されなかった。一方、Tg胚のゲノムDNAを酵素処理した場合には、68.6%の胚でトランスジーンに特異的なPCR産物が検出された。また、70.5%のウシ胚でマーカー遺伝子に特異的なPCR物が検出され、本方法が、Tg胚の選別に極めて有効であることが認められた。3.受精卵前核に外来遺伝子と制限酵素とを同時に顕微注入する手段が、Tgマウスの生産効率の向上に有効であるかどうかを検討した。二種類の遺伝子DNAをEco RI (10-7Uおよび5X10-8)と共に受精卵前核に顕微注入し、体外で後期胚にまで発生させ、本研究で確立したTg胚を検出する方法により解析を行なった。DNAの単独注入では平均9.1%のTg胚が検出され、同時注入では、17.5%のTg胚が検出された。同様な方法により処理した胚を偽妊娠マウスの卵管に移植し、得られた産子から抽出したDNAを通常のPCR法によりTgマウスの有無を解析した実験では、単独注入で生まれたマウスからはTg個体は全く得られなかったのに対して、同時注入では、11.4%のTg個体が検出された。DNAと制限酵素との同時注入は、Tg動物の作出率を向上させる手段として有効であることが示唆された。
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