研究分担者 |
本道 栄一 帯広畜産大学, 畜産学部, 助手 (30271745)
小倉 淳郎 国立予防衛生研究所, 実験動物開発室, 主任研究員 (20194524)
小川 健司 理化学研究所, 動物試験室, 研究員 (50251418)
林 良博 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (90092303)
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研究概要 |
1.まず培養細胞の形態、接着、増殖に対する細胞外マトリックスの影響を検討した結果、ラミニンのコートが最も有効であるという結論に達した。2.精巣組織をコラゲナーゼ・トリプシン処理によって分散し、得られた細胞浮遊液を遠心エルトリエーターで分画して円形精子細胞を単離した。これらの円形精子細胞を、5%FBSを含むDME100μlとともに96穴プレートへ加え、培養液に0.01,0.1,1,10および100ng/mlの各濃度でシクロスポリン A(以下CSA、免疫抑制剤で副作用の一つに造精機能障害がある。)を添加した時の細胞の生存活性をMTT法によってアッセイした。その結果、培養を開始して0,24および48時間後における円形精子細胞の生存活性にはCSAによる影響は認められず、円形精子細胞への直接的作用によってCSAが造精機能を障害する可能性が低いことが示唆された。3.分離した一次精母細胞を卵子と電気融合し、その成熟完了卵子を活性化したところ、正常二倍体胚が得られた。また分離した精細胞を液体窒素中で凍結保存後、融解し、顕微受精を試みたところ正常な産子が得られた。4.RT-PCR法による実験から、培養セルトリ細胞にNGFレセプターが発現していることが確認された。次にNGF添加セルトリ細胞培養系へ分離した精細胞を投与したところ、BrdUの取り込みを指標に測定した精細胞のDNA合成が有意に促進されていた。すなわち、NGFはセルトリ細胞上のNGFレセプターによって受容され、セルトリ細胞が何らかのシグナルを精細胞に送ってその増殖を促進することが示唆された。5.免疫組織化学法を用いて精巣内におけるフォリスタチンの発現を検討したところ、発現はセルトリ細胞、ライディッヒ細胞には認められず、パキテン期の精母細胞の細胞質および核にのみ確認された。細胞質での発現は減数分裂後消失したが、核での反応は継続した。6.その他、鳥類および爬虫類の生殖細胞についても、主に形態学的観点から観察を試みた。
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