研究分担者 |
久保 正法 帯広畜産大学, 家畜衛生試験場・病理診断室, 室長
山田 明夫 帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (20003113)
中川 迪夫 帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (60237237)
堀内 基広 帯広畜産大学, 原虫病分子免疫研究センター, 助教授 (30219216)
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研究概要 |
感染マウス脳及び脾臓を感染羊のモデルとしてウエスタンブロットによる高感度検出のための1)試料調整法を開発した。また本法をさらに部分的に改変して2)ELISA法への応用を試みた。又薬粧品への応用のため、3)コラーゲンを対象として試料調整法を検討し始めた。 1)本年度に樹立されたコラゲナーゼ処理を取り入れた方法(TCSN法)は、従来行っていた方法に比べ、PrPScの抽出回収効率がおよび5倍は上昇し、一度に解析できる組織量が2倍以上に増加したことから、最終的に10倍程感度を高めることができた。この結果、腹腔内接種マウスで、感染後1週からPrPScを検出できるようになった(Arch.Virol.,141:1863-1874,1996)。 2)昨年度から我が国でも屠畜場に於て中枢神経症状を示す反芻獣の伝達性海綿状脳症の検査が実施される様になった。検出感度が良く、簡便な方法を開発するために、マウスモデルを用いてELISA法を検討した。脾臓(リンパ節)の場合は試料調整になお煩雑さが残るが、中枢神経系の試料調整は現場でも実施可能な簡便で、非特異反応のない方法を開発できた。感度はウエスタンブロットのおよそ2倍程度であった(J.Virol.Methods,1997,in press)。化学発光を検出系に使用するとさらに数10倍高くなること及び、羊脳を用いた応用試験でマウス脳と同様の結果が得られるととを確認した。 3)コラーゲン試料中のPrPScの検出のための試料調整法を検討を始めた。高度の粘調性のためと高濃度の蛋白のために前処理が必要であり、PrPScに結合するGPIアンカーの性質に着目してPrPScを選択的に沈殿させる方法を検討している段階である。
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