研究課題/領域番号 |
07556068
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研究機関 | 帯広畜産大学 |
研究代表者 |
品川 森一 帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (00001537)
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研究分担者 |
久保 正法 家畜衛生試験場, 病理診断室, 室長
山田 明夫 帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (20003113)
古岡 秀文 帯広畜産大学, 畜産学部, 助教授 (60238665)
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キーワード | 伝達性海綿状脳症 / 早期診断法 / ELISA法 |
研究概要 |
1)マウスモデルで開発したELISA法を羊試料に応用可能なことが判ったため、本年度は北海道で屠殺解体される羊材料を対象に有用性の検討を行った。対象組織はと体からの採取が容易で、PrPScの蓄積が中枢神経系では早期から始まる延髄とした。また対象組織が延髄であるため、試料調整法を簡略化することも検討した。293頭を調べた結果、一例の陽性もなかった。北海道内の現在のスクレイピ-発生状況から、この成績は妥当なものといえる。 2)コラーゲンは医薬品、化粧品等に多用される畜産物であるが、プリオン汚染の検出法が確立されていないため、試料調整のための処理法を検討した。最終的な成績が得られる段階までに至っていないが、粘調性を低下させるためには、pHを修正した後コラゲナーゼ処理を行うあるいはそのままブロメリン処理を行うことが有効なことが判った。これら処理試料中のプリオンを比較的特異的に濃縮するためには1%食塩在存下でポリエチレングリコール沈殿を行うことが有効であることまで判明した。 3)羊スクレイピ-には宿主のプリオン蛋白の遺伝子に多型があり、その型によつて感受性が異なる。しかし、サフォーク種で調べた成績ではプリオンの遺伝子型以外に未知の因子が感受性に関与していることが示唆された。そこでこの因子の候補として、人アルツハイマー病の危険因子として知られるアポ蛋白Eを標的として検討した。しかしスクレイピ-とは関連しないことが判った。
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