研究課題/領域番号 |
07556070
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研究種目 |
試験研究(B)
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
梅村 孝司 鳥取大学, 農学部, 教授 (00151936)
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研究分担者 |
志村 亀夫 農水省家畜衛生試験場, 研究第1部, 室長
谷山 弘行 酪農学園大学, 酪農学部, 助教授 (90133800)
播谷 亮 農水省家畜衛生試験場, 東北支場, 研究員
奥田 宏健 岡山県家畜病性鑑定所, 専門研究員
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キーワード | Neospora caninum / ネオスポラ症 / 異常産 / 原虫 / 牛 / 犬 |
研究概要 |
平成7年度には、我々の予測どおり、牛のネオスポラ(N)性流産が全国的に多発した。我々は本科学研究費を基に研究班を組織し、国内におけるこれらの発生事例の診断を行うとともに、以下の研究成果を得た。 梅村:兵庫県下でN症罹患子犬(本邦では2例目)を発見し、母犬と同居犬の抗体調査を行った。その結果、母犬および1歳以上の同居犬17例がすべて抗体陽性であった。また、牛のN性発生農家で飼育されていた犬32例中17例(53%)が陽性であり、猫は41例中4例が弱陽性であった。また、一般家庭で飼育されていた犬174例中10例(5.7%)が抗N抗体陽性であった。 奥田:岡山県下で牛の抗N抗体保有状況を調査した。本症発生農場では同居牛131頭中83頭(63.4%)が抗体陽性であり、本症未発生農場では100頭中23頭が抗体陽性であった。また、過去に原因不明として処理された40流産例中19例(47.5%)がN症であることを証明した。 播谷:全国より収集した異常産子牛127頭を病性鑑定し、64頭がN症であることを証明した。このうち23頭の組織から原虫の分離を試みたが、現在のところ成功していない。 谷山:N性流産を示し、かつ抗体陽性の母牛2頭を飼育し、摘脾による免疫抑制と授精を行い、胎児の感染状況を検査している。これとは別に、N症発生牛舎へ出入りしている可能性があるネコ2匹、エズヤチネズミ、ヒメネズミ、アカネズミ計10匹、アライグマ10匹の血清を検査したが、全例陰性であった。 志村:カリフォルニア大学より米国におけるN分離株の譲渡を受け、間接蛍光抗体法用の抗原プレートを作成中である。また、N性流産胎児15頭の組織から原虫の分離を試みたが、現在まで成功していない。
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