研究概要 |
数種の1,5-二置換イミダゾール化合物について感受性イエバエを用いて、ピレスロイド係殺虫剤ペルメトリンに対する共力効果を検討したところ、早熟変態誘起活性・休眠覚醒作用を示す1,5-二置換イミダゾール類にはほとんど共力作用は認められなかった。この共力作用を指標として合成探索した結果、1-(4-オクチルオキシフェニル)イミダゾール及び1-(4-ベンジルオキシフェニル)イミダゾールにピペロニルブトキシドと同等の活性があることがわかった。これらの化合物はまた、アカイエカ終齢幼虫に対して強い殺虫効果を示すとともに、幼若ホルモン活性物質メトプレンに対しても共力作用を示した。農業害虫ヒメトビウンカに対して殺虫活性を示す新規化合物として、前年度発見したリ-ド化合物について構造と活性の関係を明らかにし、強い活性を示す1-イソブチル-5-(3-トリフルオロエチルフェニル)イミダゾール及び1-ネオペンチル-5-(3-トリフルオロエチルフェニル)イミダゾールを創製した。これらの化合物は幼虫脱皮、変態を阻害することにより殺虫活性を示した.蚕に対して早熟変態を誘導する新規化合物として、3-(1-フェニル-1-プロペニル)ピリジンを見だした。 天蚕卵の休眠覚醒物質として1,5-二置換イミダゾール化合物の他、1-(置換フェノキシアルキル)イミダゾール類にも活性があることを認めた。特に、5-(4-エチルフェノキシ)ペンチルイミダゾールが最も高い活性を示し、1,5-二置換イミダゾール化合物KK-42と同様に天蚕の人工孵化法に利用可能である。
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