愛知県下の3浄水場(いずれも木曽川水系)から排出する浄水ケーキを混練・造粒・整粒機にかけて浄水ケーキ粒状物(粒径:0.5mm以下、0.5〜1.0mm、1.0〜1.5mm、1.5〜2.0mm、2.0〜2.5mm、2.5〜3.0mm、3.0〜3.5mm)を作ったのち、熱風乾燥した。このものを抑草資材として以下の基礎調査を行った。 1.抑草資材をポリポットにつめ、上部より灌水して透水性を調査したところ、1.5〜2.0mm以上のものでは透水性が高く、それ以下の粒径のものでは湛水して透水性は著しく悪かった。また、浄水ケーキの造粒化は粒度の大きいものほど容易であるため、抑草資材としては3.0〜3.5mm粒径のものが妥当と考えられた。 2.硬度計を用いて上記の粒状抑草資材(3.0〜3.5mm)の硬度を調査したところ、浄水処理工程で石灰を添加した薬注浄水ケーキの方が無薬注ケーキに比べて低い硬度を示すことが明らかとなった。 3.キャピラリーガラスを用いて粒状抑草資材の表面に水滴を置き、その吸湿消失時間を基準に溌水性を調査したところ、溌水性は供試ケーキの有機物含量が高く、かつ造粒時の乾燥温度の高いものほど高い値を示すことが明らかとなった。 4.上記の抑草資材を土壌表面に敷き詰め、雑草の出芽を調査したところ、2cm深以上のものでは顕著に雑草発生を抑制した。 5.抑草資材の持つ抑草機能を高める手段としてアレロパシー活性をもつ材料との混練造粒を想定し、その材料を選択するための検定法と適性材料の選抜を行った。その結果、緑葉植物材料としてはモリシマアカシア葉粉末、農林・食品廃棄物としてはモミガラ粉末やコーヒー粕粉末が高いアレロパシー活性を示すことを認めた。現在、それらを混練して造粒した抑草資材の物性、抑草活性の調査を行っている段階である。なお、抑草活性はバイオアッセイにより、抑草物質は購入したガスクロマトグラフを用いて調査している。
|