昨年度の研究成果から、抑草資材として最も望ましい性状や形状をもつ粒径3.0〜3.5mmの資材を多量に製造した。ついで、底部に排水口をもうけたプラスチック製コンテナ-に畑土壌あるいはセイダカアワダチソウやヨモギ等の多年生の宿根性雑草繁茂地より採取した土壌ブロックを充填し、前者土壌には牧草種子(ラジノクローバ+オ-チャードグラス)を播腫、後者土壌には無播腫のまま、その上に抑草資材を3cm深に敷き、その後の植生回復を調査した。その結果、以下のことが明らかとなった。 1.畑土壌からの牧草出芽は、ラジノクローバではほぼ完全に抑制できたが、オ-チャドグラスでは少数の個体が出芽した。その抑制には抑草資材下の土壌表面にモミガラやコ-ヒ粕粉末等のアレロパシー物質を含むものを薄く(1〜2mm深)散布することによって抑制できた。 2.宿根性雑草根や根茎を含む土壌ブロックからの出芽については、1年生雑草に対する効果は上記と同様に発現したが、宿根性雑草には上記の処理だけでは完全に抑制できなかった。その抑制には抑草資材下の土壌表面に不織布を敷く処理を併用することによって解決できた。 3.利用する不織布としては土壌中で分解できる素材のものが望ましいことから、デンプンや乳酸を原料とした生分解性シートや不織布の効果を調べたところ、性状や材質を選べば十分に利用できることを認めた。 4.無薬注ケーキ、石灰処理した薬注ケーキより製造した抑草資材のNO_x吸収能を比較検討したところ、前者に比べて後者が高い吸収能をもつことが明らかになった。なお、本調査には購入したNO_x分析計を用いた。
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