研究課題/領域番号 |
07556087
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研究種目 |
試験研究(B)
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
冨田 房男 北海道大学, 農学部, 教授 (60217536)
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研究分担者 |
佐山 晃司 日本甜菜製糖株式会社, 総合研究所, 所長
原 博 北海道大学, 農学部, 助教授 (70198894)
葛西 隆則 北海道大学, 農学部, 教授 (80001444)
横田 篤 北海道大学, 農学部, 助教授 (50220554)
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キーワード | イヌリン / DFAIII / Arthrobacter / DFAIII合成酵素 / 腸内細菌 / Bifidobacterium |
研究概要 |
本研究の目的は、それぞれの専門領域を分担して、オリゴ糖の効率的製造法の構築、栄養や機能性の評価等を行って、オリゴ糖生産及び利用の実用化を図るものである。平成7年度は、イヌリンからのダイフラクトースアンハイドライドIII(DFAIII)の生産および利用について検討し、次の結果を得た。 1.製造原料の供給:原料イヌリンをチコリから抽出回収する処理プロセスを検討し、ビ-トからの蔗糖精製と同様の工程でイヌリン約100g/lの抽出粗汁を得た。 2.DFAIII生産試験:DFAIII合成酵素生産菌Arthrobacter sp.H65-7は、1.で得られた粗イヌリンを用いた培地でも、純度の高い試薬のイヌリンを用いた実験室での培養と同程度のDFAIII合成酵素を生産することが分った。またこの粗イヌリンを原料としてDFAIII合成試験を行ったところ、試薬のイヌリンを用いた場合と同程度の収率を得た。一例として、イヌリン約15kgから24時間の反応で約9.8kgのDFAIIIが生産された。このDFAIIIは4.6kgが粗結晶として得られ、その内2.7kgが高純度結晶として回収された。 3.オリゴ糖生産菌の探索・育種:DFAIII合成酵素生産菌Arthrobacter sp.H65-7のDFAIII合成酵素の遺伝子をクローニングし、塩基配列を決定した。また、この遺伝子を大腸菌において発現させることに成功した。 4.DFAIIIの栄養・機能性評価:2.で得られたDFAIIIを用いて、腸内細菌による利用性を調べたが、Bifidobacterium属による利用性は認められなかった。またボランティアによるヒト投与試験の結果、腸内のBifidobacterium属細菌の増殖を助ける作用は認められなかった。
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