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1996 年度 実績報告書

増殖停止期細菌細胞による物質生産と細胞機能の維持に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 07556089
研究機関東京大学

研究代表者

高橋 秀夫  東京大学, 分子細胞生物学研究所, 教授 (90013333)

研究分担者 児島 宏之  味の素(株), 中央研究所, 主任研究員
キーワード増殖停止期 / プロモーター / σ^<38> / 大腸菌 / シグマ因子 / rpoS
研究概要

本研究は大腸菌の定常期に特異的に働くRNAポリメラーゼの第二の主要シグマ因子、σ^<38>の構造と機能の解析並びに大量培養時における大腸菌細胞中における存在と機能状況を明らかにすることを目的としている。初年度においては、σ^<38>因子をもつホロ酵素のプロモーター特異性並びにσ因子としての構造と機能の相関関係を明らかにするための研究を中心として行った。また、2年度においては、初年度の研究を継続するとともに、実際の大量生産時における大腸菌についての培養過程でのσ^<38>の量的・質的な状態についての解析も行った。得られた成果は、次のようなものである。(1)精製したσ^<38>蛋白質と精製コアRNAポリメラーゼとの再構築系を用いたin vitro転写アッセイを用いることによって、各種の欠失型σ^<38>による転写開始活性を解析した結果、σ^<38>のC-末端の数アミノ酸を除くと、転写開始活性が上昇することが示された。-35認識に関わるとされる領域4.2よりもさらにC-末端側に転写開始を抑制している機能領域があることが初めて示されたことになる。(2)領域4.2を完全に欠失したようなσ^<38>誘導体蛋白質においてもタイプIII型のficプロモーターからの転写の開始が起ることが認められた。このことは、σ^<38>ホロ酵素によるプロモーターの認識と転写開始には、必ずしも-35領域を必要としないという考えを支持すること、また、-35領域より上流域にある配列(up-element)が転写の効率に影響を及ぼすことが示唆された。(3)実際の生産現場に近い条件における大量培養大腸菌細胞について、σ^<38>蛋白質の経時的な変化をσ^<38>特異抗体を用いて調べた。生産菌では、通常2〜3十時間の培養が行われるが、生産活性にσ^<38>のレベルが重要なファクターとなっていることが示唆された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Asayama,M.: "A new set of PCR primers for specific detection of the gene encoding the principal sigma factor in cyanobacteria." J.Gen.Appl.Microbiol.42. 511-515 (1996)

  • [文献書誌] K.Tanaka: "Identification and analysis of the rpoS-depndent promoter of katE,encoding catalase HPII in Escherichaia coli." Biochem.Biophys.Acta. (印刷中). (1997)

  • [文献書誌] 高橋 秀夫: "分業する転写開始因子と細菌の生残戦略" イオン・クラスター・エア-. 3. 2-11 (1996)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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