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1997 年度 実績報告書

海藻と微生物のハロゲン化酵素を利用する生活活性ハロゲン化合物の生産プロセスの開発

研究課題

研究課題/領域番号 07556092
研究機関鳥取大学

研究代表者

和泉 好計  鳥取大学, 工学部, 教授 (40026555)

研究分担者 古田 武  鳥取大学, 工学部, 教授 (10026164)
大城 隆  鳥取大学, 工学部, 助手 (00233106)
キーワードハロゲン化酵素 / ブロモペルオキシダーゼ / クロロペルオキシダーゼ / 海藻 / Corallina pilulifera / Ascophyllum nodosum / Curvularia inaequalis / チオアニソール
研究概要

今年度の研究実績は次の2つにまとめられる。
1.海藻ピリヒバのブロモペルオキシダーゼ(BPO)遺伝子の大腸菌での発現と発現されたBPOタンパク質の精製と同定
前年度得られた海藻ピリヒバのBPOの遺伝子bpoを発現ベクターpKK223に挿入し、大腸菌に導入した。この組み換え大腸菌を一晩振とう培養して集菌後超音波破砕して得られた無細胞抽出液からDEAE-Sepharose陰イオンクロマトグラフィー、Phenyl Sepharose疎水カラムクロマトグラフィー、Source30Q陰イオンクロマトグラフィーおよびSuperdex200ゲルろ過クロマトグラフィーを行い、高純度のBPOを得た。このBPOはピリヒバから精製したBPOとSDS電気永動的に一致した(サブユニット分子量 64kDa)。SDS電気永動で一致したバンドをPDF膜にブロッティングし、これをアミノ酸シークエンサーによってN-末アミノ酸16残基決定したところ、cDNAから推定したピリヒバBPOのN-末から2-17番目のアミノ酸配列と完全に一致した。すなわち組み換え菌によって生産されるBPOでは最初のメチオニンはなかった。さらにこの精製酵素は活性発現にバナジウムが必須であったことからもピリヒバBPOの性質と一致した。
2.カビ由来クロロペルオキシダーゼ(CPO)および海藻BPOによるチオアニソールのスルホキシドへの立体選択的酸化反応
医薬・農薬用原料として、また有機合成中間体として有用なチオアニソールの光学活性スルホキシドの合成を目的として、ハロゲン化酵素によるチオアニソールの酸化反応を検討した。その結果、カビCurvularia inaequalisのバナジウムCPOはラセミ体のスルホキシドを生成した。これに対し海藻(褐藻)Ascophyllum nodosumのバナジウムBPOを用いて微酸性条件下(pH5.0)で 19時間反応させたとき収率40%、44%のエナンチオマー過剰率でS-体のスルホキシドを生成した。紅藻ピリヒバのBPOを用いて同様の反応を行ったときは収率45%、30%のエナンチオマー過剰率でR-体を合成することができた。いずれの海藻のBPOの場合もpH6.2での反応では収率は減少するがそれぞれのエナンチオマー過剰率は30-50%増加した。従来ハロゲン化酵素について立体選択的な酸化反応はほとんど見いだされていなかったが、本研究によって海藻由来のハロゲン化酵素の新しい立体選択的酸化反応を提示し、生理活性物質合成への応用の可能性を示すことができた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Yoshikazu Izumi: "Mechanisms of Halogenation and Dehalogenation," Kluyver Academic Pub., 69-75 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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