研究課題/領域番号 |
07556095
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
古川 謙介 九州大学, 農学部, 教授 (90221556)
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研究分担者 |
中村 寛治 栗田工業総合研究所, 研究員
吉野 貞蔵 九州大学, 農学部, 助教授 (80117291)
桑野 栄一 九州大学, 農学部, 助教授 (00108672)
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キーワード | テトラクロロエチレン / トリクロロエチレン / シュードモナス菌 / 嫌気性菌 / 脱ハロゲン |
研究概要 |
揮発性有機塩素系溶媒であるテトラクロロエチレン(PCE)およびトリクロロエチレン(TCE)はわが国をはじめ多くの先進国において深刻な環境問題となっている。本研究では、PCEおよびTCEの強力な分解菌の探索および育種を行い、クロロエチレン類を効率よく処理可能なバイオリアクターを開発する。本年度は前年度に純粋分離したPCE分解菌とTCE分解菌を組合わせたPCE完全分解系の構築と組換え菌を組込んだ砂カラムバイオリアクターによるTCEの分解を検討した。 (1)嫌気性菌Y51株は0.2%の酵母エキスを含む無機培地に50mMピルビン酸5mMフマ-ル酸を添加することでO.D.660nm0.45まで生育した。Y51静止菌体により100ppmPCEが5時間でcis-1,2-ジクロロエチレン(DCE)へと完全に脱クロル化した。todC1遺伝子を染色体bphオペロン上に組込んだシュードモナス菌(Pseudomonas pseudoacaligenes D3)は生成したDCEを効率良くCO_2とH_2Oへ分解し、嫌気性菌と好気性を組みわせた系でPCEの完全分解系を構築した。 (2)上記D3株は砂を充填したガラスカラム(5cm x 90cm)でコハク酸を炭素源として1.2x10^9/g砂まで増殖した。ついでこのカラムにTCEを終濃度が10ppmになるように供給した系で、TCEは5時間で完全分解した。
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