研究課題/領域番号 |
07556105
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
農業土木学・農村計画学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
堀野 治彦 京都大学, 農学研究科, 助教授 (30212202)
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研究分担者 |
渡辺 紹裕 大阪府立大学, 農学部, 助教授 (50175105)
大手 信人 京都大学, 農学研究科, 助教授 (10233199)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1997
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キーワード | 蒸散 / AE / 土壌水分 / 水質 / 負荷量 / 流出成分 / 熱移動 / 水移動 |
研究概要 |
農地を取り巻く環境を形成する重要な物理・化学量のフラックス(「環境フラックス」)の評価は、持続的な農業生産システムの構築や地域環境保全上の重要な基礎である。本研究では、このような環境フラックスを、総合的に精度良く測定するシステムを開発し、それを応用して、土壌中のこれらのダイナミクスや、農地環境への影響を定量的に評価する手法を確立することを目的とした。その成果は、大きく以下の3つに分けられる。 1.土壌中の熱・水環境:土壌中の熱・水分移動に関する観測を室内レベルから圃場レベルまで、個々に取り上げ整理した。この中では、熱や水分のフラックスが実験やシミュレーションを通じて評価され、両フラックスに影響の大きい物理量が検討された。また、TDRを利用した凍結・融解深に関する新たな測定法を開発し、現場においてその実用性を確認した。特に、融解過程における有用性が示された。 2.農地の気象環境:蒸発散量の測定・評価に関する実験・観測を行った。野外では、ブロッコリ畑圃場を対象に、各種気象因子を短時間間隔で高精度に測定することにより、熱収支ボ-エン比法を用いて蒸発散量の特性を抽出した。また、この結果をもとに、生育状況に応じた作物係数を整理した。室内実験では、AE(Acoustic Emission)の検出を原理とした蒸散量のみを計測する新たな方法を提示し、木本植物で良好な結果が得られたことを示した。 3.流域の水分・水質環境:畑圃場を主とした農地およびこれに隣接する山林流域からの洪水流出特性・流出成分の違いなど、量的フラックスの検討を行った。その後、降雨や流出水の水質分析結果を通じて、流出負荷量・流域物質収支などの質的フラックスに関する検討も行った。また、それぞれ流出モデル、水質モデルを構築し、両モデルによって分離された流出成分の比較を行い、モデル間の相互検定も行うことができた。
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