研究概要 |
ホウレンソウの温室内水耕栽培時の人工光補光にあたり、一日のうちで最も生育に有効で且つ省エネ的な補光を行うために基礎実験とそれに基づく栽培実験を行い、一定の成果を得ることができた。 1,葉菜類の光合成飽和点である250μ/mol/m^2光量をホウレンソウに照射すると、約7時間後に気孔開度(SUMP法)は狭くなり始めた。その後、青(B),緑(G),赤(R)色光を照射すると、450nmにピーク値をもつ青色光において気孔が開き始めた。 2,上記の結果に基づき、日の出前1時間R/B比が約0.9の水銀灯で補光を行い、その後は太陽光が250μmol以下の時には,フィードバック制御によりR/B=3となるよう水銀灯とナトリュウム灯の混合光により、250μmolまで人工光補光を行った。補光時間帯は一日の中の前半日補光区(全日補光区の設定補光時間の半分)、後半日補光区および全日補光区とした。無補光区は生育対照区とした。生育環境は室温、温度、炭酸ガス濃度は環境制御した。養液管理はpH5.5〜5.6,ECは2.4mS/cmとした。 結果は、前半日補光区と全日補光区の生体重,乾物重ともに有意差は見られず、前半日補光区は全日補光区と比べ、約30%の省エネとなり有効な方法であると判断した。
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