研究分担者 |
山本 太平 鳥取大学, 乾燥地研究センター, 教授 (00032102)
丸本 卓哉 山口大学, 農学部, 教授 (00035122)
大槻 恭一 鳥取大学, 乾燥地研究センター, 助教授 (80183763)
谷 宏 山口大学, 農学部, 助教授 (80142701)
早川 誠而 山口大学, 農学部, 教授 (80038299)
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研究概要 |
平成7年度の研究経過の概要は以下のとおりである. 1.自由大気中水蒸気固定のための基礎的研究 1) 鳥取大学乾燥地研究センターの砂地圃場において,放射収支,熱収支の観測,特に気温・湿度・土壌水分の垂直分布観測を綿密に行い,大気中水蒸気の動態を分析した.夜間,放射冷却時に気温の逆転が生じ,表層砂層に起きた凝結についてその水源が大気側にあるか,土壌側にあるかを現在分析中である. 2) 熱電素子,太陽電池,ヒートパイプを組み合わせる凝結板を設計した.(次年度試験機組立て予定) 3) 乾燥地各地の気候データより水蒸気量を試算し,西岸乾燥地の賦存量が多いことを明らかにした. 4)大気中水蒸気量の空間分布を、人工衛星リモートセンシングデータから推定する方法について文献調査を行った.海上の可降水量推定の報告はあるが,陸域での応用例はまだ見つかっていない. 2.水蒸気固定による水の循環利用のための応用研究 1)ビニールトンネルを利用した半閉鎖空間での塩水の蒸留実験により,被覆フイルムに凝結させる太陽熱蒸留タイプと地一気熱交換蒸留タイプを比較した.その結果,後者はほぼ1日中継続的に回収でき,その量はおよそ15%増加した.また,塩水の電気伝導度41.3mS/cmに対し回収水は0.3mS/cmが得られた. 冷却源に冷水を用いた場合のトンネル内熱収支,水収支は現在解析中である. 2)節水栽培のためのマイクロ潅漑の実験,マルチによる蒸発損失抑制の実験を行い,根圏土層の適正水分状態維持法についてデータを検討中である.
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