研究課題/領域番号 |
07556118
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研究種目 |
試験研究(B)
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
中里 幸和 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 教授 (60001525)
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研究分担者 |
遠藤 士郎 日本分光(株), 第一技術部, 係長
加藤 憲夫 農林水産省, 家畜衛生試験場・総合診断研究部, 室長
伊藤 茂男 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 助教授 (40109509)
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キーワード | ATP分泌 / カテコールアミン分泌 / 分離副腎髄質細胞 / 蛍発光酵素 / 電気化学検出器 / 蛍光測定 / 光電子増倍管 / 非選択性陽イオンチャネル |
研究概要 |
(1)ATPは副腎髄質細胞からCa依存性にカテコールアミン分泌と細胞内Ca上昇を起こした。分泌反応の力価はATP>ADPであり、AMPとアデノシンは無効であった。(2)ATPは副腎髄質細胞膜の非選択性陽イオンチャネルを開口させ、静止膜電位レベルでは内向き電流反応を起こした。このチャネルの活性化は髄質細胞膜の脱分極に寄与するものと思われた。(3)ATPはG蛋白質の活性化により電位依存性Ca電流を抑制し、この反応は非選択性陽イオンチャネルの活性化とは独立した事象であった。(4)髄質細胞からの分泌反応を検出するために、ATPフォトメーターを用いて蛍の発光酵素ルシフェラーゼとルシフェリンにより各種条件下でATP濃度-発光関係を調べた。その結果、10fmolATPの測定が可能であったが、ATPの測定限界は溶液の塩化物濃度が増加する栄養液では10分の1以下に低下し、また除蛋白のために過塩素酸処理するとさらに10分の1以下に減少した。合成ルシフェリンの添加により、ATPの測定限界は約10倍増加した。(5)蛍の尾抽出物(50mg)に合成ルシフェリン(1mg)を加え、この溶液と栄養液で希釈した標準ATP液をポンプを用いて光電子増倍管のガラス面上に作成した小さなセル内で撹拌混和し、その蛍光強度を連続的に光電子増倍管で測定した結果、20nMのATPから濃度依存性の蛍光増加が観察された。(6)電気化学検出器を用いて、ATP同様栄養液中のカテコールアミンを連続的に測定した結果、0.1μMからの測定が可能であった。カバーガラス上に培養した副腎髄質細胞の周囲を灌流し、その流出液を電気化学検出器でモニターすると、アセチルコリン刺激により、灌流流出液中のカテコールアミンが増加し、分泌の時間経過が検出出来た。
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