研究課題/領域番号 |
07556126
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研究種目 |
試験研究(B)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
磯貝 明 東京大学, 農学部, 助教授 (40191879)
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研究分担者 |
鮫島 正浩 東京大学, 農学部, 助教授 (30162530)
尾鍋 史彦 東京大学, 農学部, 教授 (40012025)
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キーワード | デンプン / 繊維 / 紡糸 / 紙 / 生物分解性 / 繊維間強度 / 塩析 / リサイクル |
研究概要 |
1.デンプンの塩析条件を検討し、アミロースを多く含むデンプンでは繊維化されずに塊状となってしまうのに対し、アミロペクチンを主成分とするデンプンではフレーク状、場合によっては短繊維状に成形することが可能であった。分岐多糖であるアミロペクチンの成形物中での分子配向性や、成形性発現機構については現在検討中である。 2.デンプン繊維含有紙を各種条件で調製し、それらの諸物性を検討した。その結果、短繊維状デンプンを5-20%程度木材化学パルプに代替した場合、針葉樹パルプ、広葉樹パルプ共にシート密度が増加し、破壊強度、引張り強度の増加が認められた。耐折強度については、広葉樹パルプでは顕著な増加が、一方、針葉樹パルプでは僅かな低下となった。更に、デンプン繊維の添加によって吸水性が低下し、透気度は低下した。中性サイズ剤処理では、サイズ度は低下する傾向があった。これらの結果から、紙の繊維原料として木材パルプに一部代替する素材としての利用の可能性が明らかになった。一方、問題点として接着剤やタック性が上がり、カ-ルが強くなること、濾水性が低下すること等が挙げられ、改質が求められる。 3.デンプン繊維含有シートを20℃、65%相対湿度の条件下で1年以上放置してもカビによる着色や劣化は認められず、ある程度安定であった。また、土中埋め込み試験による生物分解性は、対照の木材パルプのみから成るシートと大きな相違はなく、比較的安定であった。
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