研究課題/領域番号 |
07556129
|
研究種目 |
試験研究(B)
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
真鍋 昇 京都大学, 農学部, 助教授 (80243070)
|
研究分担者 |
東 泰好 財団法人環境科学総合研究所, 環境毒性部, 研究員
入江 正和 大阪府立農林技術センター, 畜産部, 主任研究員
石井 隆 京都大学, 農学部, 助手 (70111945)
宮本 元 京都大学, 農学部, 教授 (00026618)
|
キーワード | 核磁気共鳴装置 / 小型草食獣 / エネルギー代謝 / 廃棄資源 / リサイクル / グルコース / グルコピラノース鎖 / 核磁気モーメント |
研究概要 |
廃棄されている未利用のセルロースなどの多糖資源を飼料化して多産な小型草食獣に与え、食肉を効率よく生産する体系を確立するべく、生体の様々な物質の構造解析が可能で、生命現象をリアルタイムに検出できる核磁気共鳴装置(生体NMR)を駆使して消化管や筋の生理機能を解析し、飼料の有効性を評価する手法を確立する。 核磁気モーメント原子(1H、31P等)を含む物質を検出し3次元解析できる生体NMRを駆使し、草食動物の消化器管、肝、筋の高エネルギーリン酸代謝物やリン脂質を検出定量し、従来法では明らかに出来なかった数々の生理現象を可視化できた。リアルタイムに消化管内のグルコピラノース鎖数と量を計測し、空間配置を視覚化することによって、セルロースやヘミセルロースが消化管内でグルコースまで分解され、腸管から吸収され、肝へ移行して代謝される過程を体外から経時的に観測できるよう、プロトンシグナルから糖鎖構造を解析するプログラムを修正して、生体消化管内の多糖の可視化を図った。さらに、31Pシグナルから筋と肝のエネルギー代謝などの生理機能を3次元空間配置を保持しながら生化学的方法より100倍以上高感度に検出することで、粗食でより効率良く産肉しかつ多産である小型草食獣を育種する系を確立すべく、農業生産未利用資源を動物に給与してNMRにて飼料としての優劣を評価するための評価選抜パラメターの選定を進めた。 機器操作、計測手技に関わる基礎検討は概ね予定通りの成果のもと終了できたので次年度以降はさらに研究を物質レベルで深く掘り下げ、多面的かつ総合的に消化管内で糖質代謝、即ち分解と吸収を制御している機構を解明し、それに基づいて、リサイクル、廃棄資源の飼料としての活用体系を構築する。
|