研究分担者 |
尾形 武文 福岡県農業総合試験場, 農産研究所, 研究員
福田 善通 北陸農業試験場, 作物開発部, 研究員
矢野 昌裕 農業生物資源研究所, 分子遺伝部, 研究員
長峰 司 農業生物資源研究所, 遺伝資源第二部, 研究員
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研究概要 |
本研究では,(1)組換自殖系統と戻し交配後代を用いた有用農業計量形質の解析,(2)イネ育種法の評価と再構築の2つの課題を企画した.課題ごとに平成9年度の結果の概要を述べる. (1)組換自殖系統と戻し交配後代を用いた有用農業計量形質の解析 組換自殖系統を用いた有用農業計量形質の解析:新しい組換自殖系統を用いて出穂期に関するQTL分析を行い,関与染色体領域を推定した. 戻し交配後代を用いた有用農業計量形質の解析:組換自殖系統をベースに戻し交配を行い,関与領域を残した染色体部分置換系統と同質遺伝子系統の作出を進め,出穂期,穂長,根の太さに関して置換系統分析を行い,以前に検出したQTLの存在を実証した.また,染色体3と8の出穂期に関するQTLとRFLPマーカーとの連鎖分析を行い,詳細な連鎖地図を構築した. (2)イネ育種法の評価と再構築 沖縄世代促進集団の分析:あそみのり/IR24の集団を沖縄で世代促進し,F_5まで進め,遺伝子型を調査し,組換自殖系統のそれと比較した.実際には,F_3,F_4,F_5世代から各65個体を任意抽出して,50RFLP遺伝子座について遺伝子型を決定して,遺伝子頻度を調べた.その結果,IR24が持つ半矮性遺伝子座近傍ではIR24遺伝子型頻度が顕著に低くなっており,このことから,沖縄世代促進のやり方では,半矮性遺伝子に関してはかなり選抜がかかることが明らかとなった.また,組換自殖系統を石垣で栽培し,出穂期,稈長等の自然選抜に関わる形質のQTL分析を行った.
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