研究分担者 |
三木谷 研一 住友化学工業(株), 農業化学品研究所, 研究員
橋本 義文 京都工芸繊維大学, 助手 (60211471)
伴野 豊 九州大学, 農学部, 助手 (50192711)
嶋田 透 東京大学, 農学部, 助手 (20202111)
原 和二郎 蚕糸昆虫農業技術研究所, ゲノムプロジェクトチーム, 室長
岩淵 喜久夫 東京農工大学, 農学部, 助教授 (00203399)
佐原 健 北海道大学, 農学部, 助手 (30241368)
藤原 晴彦 東京大学, 理学部, 講師 (40183933)
土田 耕三 国立予防衛生研究所, 放射能管理室, 主任研究員 (40231435)
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研究概要 |
染色体の基本構造に関する部分については、順調に進んでいる。最初は動原体に関するものである。ヒト自己免疫病の一種であるCREST患者の血清中には動原体構成タンパク質(CENP-A,B,C,D等)に対する抗体が産生されている。このうちCENP-Aは、ヒストン様タンパク質であることが知られており、Bはアルフォイド配列のCENP-B boxを認識して結合することが知られている。カイコ細胞成分に対してCREST抗体を反応させたところAでは明瞭にまた、B近傍に何本かバンドが認められた。Bの約80kD部分に結合する抗体を分離しカイコ染色体に反応させたところ複数のスポットが検出された。カイコは多動原体として知られており今後CREST抗体と反応する成分について検討を進め構成要素を単離したい(土田)。次に末端構造については、テロメア配列がすでに末端に存在することがしられているが、その内部について新たなレトロトランスポゾン様配列が見つかり末端構造に寄与していることが示唆された(藤原)。さらにその内側にGCリッチな繰り返し構造が見い出され末端構造との関連に興味がもたれる。さらに、すべての染色体に分散して存在しているレトロトランスポゾン、レトロポゾンの進化的考察とその染色体上での機能モデルについて提案があった(前川)。以上の研究は精巣を使用して実施されたが形だけでは個々の染色体の同定は困難である。より大きな染色体として同定が可能な卵母細胞において倍数体あるいは点座系統を使用して分類が試みられた結果他の目印(遺伝子、構造単位等)を併用すれば可能であることが示唆された(佐原、伴野)。目印についてはRAPDにより染色体特異的配列が同定されておりまた染色体特異的遺伝子もいくつか単離されており使用できる状態になった(嶋田)。量的問題を解決するためには培養細胞を利用できることが必要である。そのための第一歩として細胞の同定法を確立した(岩淵)。また種々の薬剤の細胞への反応系を調べ染色体解析に役立てる予定である(三木谷)。機能単位を取り込めるベクターはライブラリーなどで開発されているが昆虫をベースにした新たなものとしてバキュロウイルスの欠質系を試みる予定である(橋本)。以上の研究に役立つ突然変異種のサーベイと異常検出も併せて進める予定である(原)。
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