研究課題/領域番号 |
07556144
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
畜産学・草地学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
島本 義也 北海道大学, 農学部, 教授 (00001438)
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研究分担者 |
橋爪 健 雪印種苗株式会社, 主任研究員
山下 雅幸 静岡大学, 農学部, 助教授 (30252167)
澤田 均 静岡大学, 農学部, 教授 (10183831)
杉山 修一 弘前大学, 農学部, 助教授 (00154500)
中嶋 博 北海道大学, 農学部・付属農場, 教授 (40001474)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1997
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キーワード | 低温ストレス / 遺伝子発現 / 分子標識 / 遺伝変異 / 環境適応 / 放牧 / トレードオフ / RAPD |
研究概要 |
本研究費では、(1)ペレニアルライグラスの低温ストレス耐性の分子遺伝学的研究、(2)牧草類の分子標識系の確立とその農業的利用に関する研究、(3)放牧草種の環境適応機能の生理生態学的研究の三つの研究プロジェクトを進行させた。得られた成果は以下の通りである。(1)ペレニアルライグラスの低温馴化能の遺伝的差異を葉の脂肪酸組成から解析し、いくつかの知見を得た。(2)低温ストレスに応答して発現が微量に変化する20個の遺伝子をクローニングし、部分的に塩基配列を決定後、既知の遺伝子との相同性を比較することにより機能を推定した。(3)品種の遺伝・生態的情報の効率的な検索を可能にするために、アイソザイムの酵素多型とRAPD変異の効率的検出法を確立した。(4)主要放牧草種の遺伝変異をアイソザイム分析とRAPD分析から評価したところ、日本在来の生態型や品種は遺伝的多様性が小さいこと、品種間に比べ品種内の遺伝的多様性が相対的に高いことが明らかとなった。(5)乾燥ストレス耐性を水分保持力と生理的乾燥耐性から評価する方法を開発し,ペレニアルライグラスの品種間差異を調査したところ、2倍体品種は4倍体品種に比べ体内水分保持力は低いが生理的乾燥耐性は高いことが明らかとなった。(6)生理的乾燥耐性と耐寒性は正の相関関係にあり、水分と乾燥に対する耐性は同じ生理的メカニズムにより支配されていることが示唆された。(7)ペレニアルライグラス品種間には競争力と生理的乾燥耐性や耐寒性と負の相関関係が見られ,資源に対する生育反応と物理的なストレス耐性はトレードオフの関係にあることが示唆された。以上の研究成果は放牧草種の環境適応・調和型育種を推進するための遺伝情報と生態情報を統合した評価システム構築のための基礎となるものと考えられる。
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