研究課題/領域番号 |
07556146
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研究種目 |
試験研究(B)
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
青木 孝良 鹿児島大学, 農学部, 教授 (70034460)
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研究分担者 |
藤井 信 鹿児島大学, 農学部, 助教授 (70041655)
林 國興 鹿児島大学, 農学部, 助教授 (80041656)
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キーワード | アミノカルボニル反応 / グルコース6ーリン酸 / カルシウム吸収 / 乳清タンパク質 |
研究概要 |
これまでの研究でアミノカルボニル反応によりグルコース6ーリン酸(G6P)がタンパク質に結合することは確認されているので、G6Pを効率よく浮清タンパク質分離物(WPI)に結合させるために、G6PとWPIとの最適比率、反応時間等を検討した。即ち、WPIとG6Pとの比率を変えて、pH7.0で溶解し、凍結乾燥させたものを50℃、相対湿度65%でアミノカルボニル反応を行い、生成物のリン含量、褐変、タンパク質の重合の程度を調べた。その結果、WPIとG6Pとの比率が0.3以上ではG6Pの結合量には大差なく、実用面からはWPIとG6Pとの比率は0.3が程度が適当であると考えられる。また、反応時間が1日を越えると褐変と重合が著しく進むことから反応時間は1日以内が適当であると判断された。WPIとG6Pとの比率が0.3で0.5日間反応させるとカゼインと同等以上のリン含量の試料が得られたのでこれを用いて、カルシウム吸収実験を行った。27日齢のWistar系雄ラットを、1日の飼料を1.5間以内に摂取するようにラットを訓練したのち、G6P結合WPI区、カゼイン区(比較)および大豆タンパク質区(対照)の3区に分け、飼料摂取1.5時間後小腸を結紮し、^<45>Caを注入しカルシウムの吸収率を求めた。カルシウムの吸収率は、G6P結合WPI区で77.7±9.7、カゼイン区で72.7±8.0、大豆タンパク質区で43.2±8.7であった。また、24日齢のラットを予備飼育の後、G6P結合WPI区、カゼイン区および大豆タンパク質区の3区に分け1週間試験飼育して、摂取カルシウム量、排泄カルシウム量を調べ、カルシウムの出納試験を行なったところ、G6P結合WPI区およびカゼイン区は大豆タンパク質区に比べてカルシウムの吸収率が高かった。これらの結果からタンパク質にG6Pを結合させるとカルシウムの吸収率が高くなるものと思われた。
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