研究課題/領域番号 |
07557002
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研究種目 |
試験研究(B)
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
柴田 洋三郎 九州大学, 医学部, 教授 (90037482)
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研究分担者 |
奥富 昭次 日本電子エンジニアリング, 技術総括部, 部長
稲井 哲一朗 九州大学, 医学部, 助手 (00264044)
倉岡 晃夫 九州大学, 医学部, 助手 (30253412)
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キーワード | 原子間力顕微鏡 / 走査プローブ顕微鏡 / ギャップ結合 / 凍結レプリカ / 移行上皮 |
研究概要 |
・初年度の研究計画にもとずき、大気圧使用の走査プローブ型顕微鏡JSTM-4200A型機を購入し、これを基本として種々の改良をくわえるため、まず凍結用試料台の基本設計と試作をおこなった。この試作モデル機についての検討結果から、氷結防止のために真空排気機能の付加装置が望ましく、さらに凍結試料台と真空排気系を同時に装置することが可能な新たなモデル機改造の設計計画をたて試験的な条件設定などを行っている。 ・生物試料のモデル系として、膀胱表面膜の蛋白粒子の規則配列膜資料作成とギャップ結合離膜の標品作成は技法が確立しつつあり、すでにレプリカ膜、ディープエッチ像などの透過型電子顕微鏡による観察結果が得られている。 ・AFM観察の際試料装置の条件としてできるだけ観察対象物の周囲が平坦であることが望ましいようである。このため高分子物質に対するマイカへき開面への噴霧法や凍結レプリカ膜など、平滑面での観察法を試行している。 ・凍結ステージの装着技法の開発と、試料台の開発設計および生物試料の接着方法は、一応の設計試作を終えて、試用中である。現在までの結果では、大気圧下での凍結ステージによる生物試料観察は、低温の試料表面に大気中の水分等の付着が顕著で、原子間力走査モードにおいても安定した観察結果を得ることが困難であると判明したので、これを防止する確実な方法を開発中である。 ・生物試料に対してAFMのprobe走査を行う場合は、一般に試料が軟らかく変形しやすいために、試料表面を安定硬化させる前処置法を開発する必要があり、凍結乾燥や適当な硬化剤の試用を種々検討中である。 ・当初目的である生きたままの材料については、変形をいかに防止するかの対策と液体中観察に用いうる溶媒など至適な使用条件の設定・確立が今後の検討課題として残っている。
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