研究課題/領域番号 |
07557006
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研究種目 |
試験研究(B)
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
中沢 博江 東海大学, 医学部, 教授 (20110885)
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研究分担者 |
石田 英之 東海大学, 医学部, 講師 (20222424)
一守 康史 東海大学, 医学部, 講師 (60184636)
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キーワード | スーパーオキサイド / 一酸化窒素 / NO / Cylotoxicity / パーオキシナイトライト |
研究概要 |
NO電極法の原理はNOの電解酸化のNO+2H_2O→NO_3^-+4H^++3e^-に基づく。陽極に3層構造のNO選択膜で覆った0.2mmφPt/Ir合金を、陰極(対極)に炭素繊維を用いた。疎水性膜の被覆により水溶性物質の電極への接触を阻止し、ガス状小分子が選択的に陽極に到達できるようにし、作用電極に+0.4〜+0.8Vの正の電圧を加えることによりO_2分子などの他のガス分子と区別した。電極電流信号の入力インピーダンスは非常に高く外来ノイズを拾うため、電極対の出来るだけ近傍にヘッドアンプを配置した。NOを定常時に発生するS-nitroso-N-acethyl-d1-penicillamine (SNAP)を感度測定のために標準溶液とした。作成したNO電極でNOの10nMレベルまでを安定して測定できる感度が得られた。SNAPに紫外光を照射してNOをバーストで発生させた後の電流の減衰曲線から電極反応の時定数を測定することが出来た。時定数は、1.14±0.09秒であった。輪状大動脈切片からのNO生成の動的状態を測定できた。 感度は、S/N=1に対応するNO濃度が6.5nMとなる所まで上げることが出来た。又、時定数も1秒付近まで短くさせることが出来た。ノイズに関しては、不感電極を弱アルカリ性の薄い電解質溶液を含むガラスに封入することにより、飛躍的にノイズを除去することが出来た。 安定性に対しては、物理的、機械的変化によるドリフトの除去は困難であった。このため、生体系での計測は、NO電極の操作に習熟した実験者でないと安定した成績を得ることが出来ない欠点がある。この点に関してはプレート型の電極を用いた検討がまだ不充分で、プレート型の改良により安定させることが出来ると考えている。平成8年度は、これを踏まえた上で生体系からのrealtime測定を試みる。
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