研究課題/領域番号 |
07557011
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応募区分 | 試験 |
研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
前山 一隆 愛媛大学, 医学部, 教授 (00157158)
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研究分担者 |
望月 貴年 愛媛大学, 医学部, 助手 (40263933)
足立 尚登 愛媛大学, 医学部・附属病院, 助手 (50253315)
後藤 義則 愛媛大学, 医学部, 講師 (10162166)
大和谷 厚 大阪大学, 医学部, 教授 (30116123)
渡辺 建彦 東北大学, 医学部, 教授 (70028356)
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キーワード | 肥満細胞 / ヒスタミン / 肥満細胞欠損ラット / 胃酸分泌 / 炎症 / N^7N-メチルヒスタミン / ヒスタミン・ニューロン / マイクロダイアリシス法 |
研究概要 |
前年度より進んだ点を中心に、肥満細胞欠損ラット(Ws/Ws)を用いて行った薬理学的アプローチの結果をまとめた。 1)肥満細胞のラット足蹠浮腫への寄与:ラット足蹠にヒスタミン遊離薬であるcompound48/80を皮内注射し、in vivoマイクロダイアリシス法を用いて遊離ヒスタミンをモニターすると、野生型+/+ラットでは刺激20分以内に426倍の遊離が認められ、同時に浮腫を生じた。一方、Ws/Wsラットではヒスタミン遊離は全く認められず、浮腫も生じなかった。浮腫形成における肥満細胞の寄与が明らかになった。(Eur.J.Pharmacol.,in press) 2)ヒスタミン遊離と胃酸分泌:in vivo マイクロダイアリシス法により血中ヒスタミンレベルをモニターするとペンタガストリン刺激後、血中ヒスタミンの上昇が生じ、胃酸分泌の亢進が認められた。(Scand Gastroenterol 1996;31:1141-1150) Ws/Wsラットにおいては胃に存在するヒスタミンはエンテロクロマフィン様(ECL)細胞由来であり、ペンタガストリン刺激によりヒスタミン遊離ならびにヒスチジン脱炭酸酵素(HDC)活性の上昇が認められた。ただし、+/+ラットに比してヒスタミン遊離量が少なく、本ラットにおいて肥満細胞以外の神経性調節における遺伝的欠損を検討中である。 3)角膜潰瘍修復に及ぼす肥満細胞の影響:角膜上皮の切開による潰瘍を形成し、その治癒過程をWs/Wsと+/+ラットで比較したところWs/Wsラットにおいて有意に修復の遅延が認められた。 4)形態学的研究をPanula(フィンランド)と開始しており、中枢ヒスタミン神経の発生過程をヒスタミン抗体を用いた蛍光抗体法やHDCのcDNAプローブを用いたin situ ハイブリダイゼーション法で検討中である。試料の準備に時間がかかり、まだ予備的段階だが、次年度に完成する予定である。
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